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♪レッスンの引き出し 道具編

バイオリン・ビオラはどこで買ったらいいか

バイオリン・ビオラをどこで買ったら良いか、初めてのときは分からないものです。

初めてでなくても、高価な楽器や弓へ買い換えたいとき、悩ましい問題です。

 

バイオリンやビオラは手工芸品です。

分数楽器や初心者向けのセットは、工場で作られてはいますが、

家電製品のように一様ではありません。

メーカー・ブランドは何十とあります。

よく聞く老舗メーカーでも、製作年が違えば製造国が違ったり、製造工程が変わっていたりします。

どんな楽器と出会えるかは、運命にお任せするしかありません。

 

自分の意思で選択でき、はっきり違いが出るのは、「どのお店で買うか」です。

楽器は調整のされ方で、音色や弾きやすさが大きく変わります。

メンテナンスにかかる費用も、ずいぶんと違います。

お店選びが大事になるのです。

 

どこだと安心して買えるのでしょうか?

何に気を付ければいいのでしょうか?

 

この記事を読まれたあとは、こちらもどうぞ。

2021.02.09  バイオリン・ビオラは どれを買ったらいいか

 

目次

(1)お店選びの前に・・

どんな困ったことが起こるのか

良くない楽器、または調整不足の楽器を買った場合、
どんな困ったことが起きるのでしょうか。

●いい音がしない → やる気が出ない → 練習しなくなる

●弾きにくい → やる気が出ない → 練習しなくなる

●調弦がしにくい → レッスン時の調弦に時間がかかる → レッスン時間が減る
        → 家での調弦がうまくいかない → 練習しなくなる

●トラブル、故障が起きやすい

調弦がしにくい楽器をお持ちになられると、先生としては非常にあせります。
中途半端な調弦でレッスンを始めるわけには行かないし、
調弦に手間取っていると先生の腕が悪いのかと思われそう。。 (^^;)

トラブル・故障は、いままで実際にこのような出来事がありました。

●指板がはずれた、ネックがはずれた
●ペグが回らない、止まらない
●雑音がする
●弓の毛がどんどん切れる
●駒が削られていない、削り方が変、歪んでいる、E線がめりこんでいる

そんな楽器を売ったお店へ再調整しに行きたくありません。
しかし別のお店へ持っていけば高くつきます。
自分のお店で売った楽器の調整は、安くするのが慣例だからです。

初心者の方や分数バイオリンに多いのが、アジャスターが付いていないことです。
初めてバイオリンをされる方がペグで調弦することはできませんし、
分数バイオリンでペグ調弦するのはよほど上手な子です。
ペグ調弦できない人にアジャスターなしの楽器を売るのは、使う相手のことを
理解していない状態で販売していることになります。

価格帯について

楽器・弓・ケースが 税込み6万~75千円ほどのセットになっているものがあります。
「アウトフィット」などと呼ばれています。
楽器と呼べる、最も安いクラスの商品です。
各メーカーがしのぎを削る、コストパフォーマンスの良い価格帯でもあります。

分数バイオリンや、大人の初心者の方には、この価格帯のものをお勧めしています。
ビオラは、バイオリンより少し高くなります。

小さな子供さんには、これから何回かサイズアップしなければならないのに、
7万円は高いと感じられるかも知れません。
しかし分数バイオリン数台=アップライトピアノの値段、と考えることもできます。
またこのグレードの楽器であれば、世代を超えて使えますし、誰かに差し上げても喜ばれます。
数千円ですが下取りしてもらえることもあります。

どうしても7万円かけられない場合は、中古楽器を探すのがお勧めです。
また、7万円よりワンランク下のアウトフィットを出しているメーカーもあります。
7万円のワンランク下で検討される場合は、上位のラインナップが在るメーカーか
確認してください。
(7万、12万、20万というふうに)
それがないメーカーのものは、楽器とは言いにくいです。

初心者でも、分数でも、もう少し高い楽器が欲しいという方もおられます。
20~30万円で考える方もおられますし、100万円までという額で購入された
方もおられました。
息子さんと一緒にバイオリンを始められ、いずれ息子も使えるからという理由でした。
そうした場合は、セットではない楽器をお求めになられると良いでしょう。
また60万円以上の予算が組めるなら、新作ではなく、モダン・オールドの楽器を
検討されるといいでしょう。
エイジングにまさる品質はありません。

余談ですが、アウトフィットのバイオリンセットに、クロネコダークの松脂が
付いていることがあります。
バイオリンにクロネコダークは、粘り過ぎと思います。
いま私はビオラにクロネコダークを使っていますが、ビオラでさえ粘り過ぎかなと感じます。

メーカー・ブランドについて

安いものは工場で作られています。
経営している人と、作っている人は別で、作っている人も作業工程ごとに変わります。
機械で可能な工程は機械で行い、人でなければできない部分や、最後の仕上げを人がします。
昔は、表板・裏板の膨らみは機械ではできないし、人が削ると人件費が高くつくので、
プレスしてカーブを出していました。
今では膨らみを出して削れる機械があるそうです。
工場製の楽器のグレードの違いは、主に材料だそうです。

高めの楽器は工房製になります。
親方1人に修行中の職人さんが何人かいたり、家族でやっていたりします。
今の日本では、個人でやっているお店が多いです。

アウトフィットメーカーは、数えきれないほどあります。
私が子供のころは、入手しやすいものはスズキくらいしか無かったのですが、
今は数十社あります。
一般的に信頼を得ている、良く耳にするメーカーは、スズキ、ヘフナー、エナ、
イーストマン、カルロジョルダーノ、ニコロサンティなどでしょうか。

ルーマニアやチェコなどの東欧製も、評価が高いようです。
アウトフィットではありませんが、ルーマニアのモガが良いという職人さんがおられ、
私も数台見ましたがどれも良かったです。

中国産・韓国産もめきめきと良くなっています。

日本の若手~中堅の職人さんの楽器製作の腕も、大変優れています。

もし気に入った楽器が、評判のわからないメーカーの場合は、
●何年続いているメーカーか
●分数バイオリンも出しているか
●一番下のグレードが7万円クラスか
などを目安にするといいと思います。

アウトフィットは、弓がいまいちなことが多いです。
7万円の売価で最善を尽くそうとすると、どうしても楽器本体に注力することになるからです。

グローバル競争で、製造拠点・製造工程・使用材は常に変わっていきます。
工場での作られ方も進化しています。

(2)楽器が買えるお店

①職人さんの工房

職人さんご自身が店主となっている楽器店です。
楽器製作・メンテナンスが中心で、その傍ら楽器販売をしている工房が多いです。
いわゆる楽器店は、どこも事業内容はだいたい同じですが、工房は店主により
それぞれ特徴があります。
生徒さんのご意向や居住地のほか、職人さんとの相性も考えて紹介をしています。
よくご案内する工房には、以下のようなところがあります。

Sさんの工房
仕事は細やかだが、余計なことはせず、お客様に安価になるように考えてくれる。
えらぶる人、知ったかぶりな人の面倒は見ない。

Oさんの工房
製作やメンテナンスの技術レベルは高く、常に勉強されている。
お客さんの事情を汲んで、効率的な手入れをしてくれる。
関連商品の販売など、楽器店に近い応対もしてくれる。
(関連商品の販売はしない工房もある。)

Fさんの工房
仕事は細やかだが、余計なことはせず、お客様に安価になるように考えてくれる。
弓、特に手に入りにくいバロック弓の製作を、希望の様式で請け負ってくれる。
(楽器製作をしている工房は多いが、弓はあまりない。)

Iさんの工房
7万円より下位クラスのアウトフィットも、用意してくれる。
(通常「職人さんの工房」「専門の楽器店」では7万円クラスからの取り扱い。)

いずれの工房も、楽器の状態について丁寧に説明してくれます。
職人さんがしている工房というと、敷居が高いイメージがあるかもしれませんが。
(敷居を高くしている工房もある。)

職人さんのお店で楽器を買う場合、メーカー・ブランドの選定については
お任せするのが良いと思います。
その職人さんなりの見解や判断があるからです。

色んな楽器を扱っているお店では、メーカーから送られてきたセットが
そのままお客様に渡されます。
しかし職人さんは、安いものでも自分の目と耳で点検をし、必要であれば調整もします。

楽器によらず小さなお店に共通することですが、用意してもらった商品は、
気に入らなくても断りにくかったりします。
迷ったら断りましょう。
安からぬ買い物なのですから。

工房の職人さんたちは、関西弦楽器製作者協会に属している方が多いです。
下記のリンク先でご覧になってみてください。
属していない方もおられますが、属していないから信頼できない、ということではないです。
冒頭にも記しましたが、職人さんは個性のある方が多く、考え方が多様なのです。

②弦楽器専門の楽器店

「弦楽器」と言うと、ギターなども含まれてしまうのですが、ここでは
バイオリン・ビオラ・チェロ・コントラバスの総称とします。

営業や販売のスタッフさんが、楽器購入にこられたお客様の窓口となります。
弦楽器の知識を持った方が応対してくれます。
音大で学んできた方もおられ、「弾き手」の気持ちを 工房の職人さんより
分かってもらえやすかったりします。

関連商品の販売やサービス内容などは「職人さんの工房」より充実していますし、
日曜祝日もやっています。
関連商品と聞いてもこれから始められる方はピンと来ないかもしれませんが、
バイオリン・ビオラには、必須でなおかつ選ぶのが難しい品が色々とあります。
そういう品々は、お店側にとっては労多くして益少なしなので、工房ではあまり
取り揃えていません。
あらかじめ頼んでおけば、取り寄せてもらえることが多いです。
しかし弦楽器専門の楽器店であれば、予約なしに立ち寄っても、品定めができます。

専門の楽器店でも、職人さんが常駐しているところと、外注のところがあります。
常駐のお店では、職人さんに直に話を聞いてもらえ、預ける必要も殆どありません。
職人さんと直接会話ができないのは、ちょっと様子がおかしい、変な音がする、
などといったとき大変困ります。

工房と同様、予約は必ずしてください。
職人さんは1人体制のことが多く、お休みの日もあります。

外注のばあい、実作業を請け負うのは ①職人さんの工房 です。
職人さんのいないお店で買った場合、毛替えやメンテナンスは ① へ行きましょう!

③いろんな楽器を扱っている楽器店

店舗数が一番多いのは、このタイプの楽器店ではないでしょうか。
いろんな楽器を扱っていても、バイオリン・ビオラ・チェロのコーナーが特別に
あつらえてあって、スタッフも別になっているお店は、②と考えていいでしょう。

「工房」や「専門の楽器店」へ行きたくても、遠方にしかない場合もあります。
遠方まで行く価値はあるのですが、それくらい「いろんな楽器を扱っている楽器店」
とは体制が違うのですが、小さなお子さんがいたりすると現実的に無理だったり
します。
そう考えると、こういったお店の存在もありがたいものです。

店頭のスタッフで、バイオリン・ビオラの知識がある方は、大変少ないです。
様々な楽器の中のひとつとして扱っているので、専門性を求めることはできません。

多店舗展開しているお店より、事業主が店主であったりするような楽器店の方が、
しっかりしています。


お店を選ぶ上で大切なメンテナンス体制は、職人さんが常駐していない
「専門の楽器店」と同じくらいのところもあれば、素人同然の店員さんが
修繕しているところもあります。

アウトフィットの楽器購入であれば、買うお店による差が少ないです。
昔と違って、販売店での点検・調整なしにお客様へお渡しできるよう、
メーカー側がペグの調整などをするようになってきました。
1年保証も付いていたりします。
それでも中古の楽器など、びっくりするような状態で売られているのを
見たことがあります。
こうした楽器店で買うのは、アウトフィット、もしくは信頼できるメーカー
の新作にしておいた方がいいでしょう。

関連商品の販売などは、お店により様々ですが、「工房」と「専門の楽器店」
の間くらいと思います。
教本や弦を買ったり、付属品を取り寄せ注文するには、とても助かります。
取り寄せは、説明不足により違う物が届くこともあるので、気をつけましょう。
ピアノやギターに比べると、バイオリン関係の依頼は少ないからです。

④ネットショップ

楽器店同様、ネットショップにも様々な形態があります。
●実店舗があるか
●何年前から事業(店舗)をしているか
などを確認しましょう。
実店舗のある「専門の楽器店」がネット販売もしている場合は、安心して良いと思います。

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