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農と大地

自然農法は どうすればうまくいくのか

写真は、京田辺市 自然食品店「なな色の空」の無肥料野菜たちです。

 

自然農法は、本に書かれたとおり、教わったとおりやっても、うまく行かなかったりします。
それぞれの土壌に合わせたやり方が、必要だからです。
私の「本や塾で学んだことと違ってた!」という経験を、お話ししたいと思います。

 

私が最初にご縁があったのは、川口由一さんの自然農でした。

ですので、一般的な用語として「自然農法」という言葉を使っていますが、

比較・検証する元になっているのは、川口さん式です。

 

 

これまで経験した畑は4カ所
①赤目自然農塾 1年
②木津自然農塾 4年
③京田辺市住宅地の庭  7年
④井手町の耕作放棄地 半年

 

田んぼは3カ所です。
①赤目自然農塾 1年
②木津自然農塾 4年半
③八幡市野尻  数年

 

知り合いの田畑のお手伝いや、見学なども、してきました。

 

 

●耕さない方がいい?
状態の悪い畑では、当てはまらないことが多いと感じています。
ただ地表は、草で覆われている方がいい、裸になるのは良くない、のは確かです。

直前まで耕していた土地のばあいは、まず耕さないで、それでどうなるのかを

観察するのがいいと思います。

耕作放棄地は、現状を観察して、どんなテコ入れが必要か考えます。

 

そもそも良い土地(イヤシロチ)であれば、耕作放棄地にはなりません。
もともと良い土地だったのに、耕耘や施肥により悪くなった可能性もあります。
耕作放棄地で良い土だった、という方には、1人しか出会ったことがありません。

 

悪くなった土は硬く、土壌微生物は少なく、植生は偏っていて暴れています。
雨が降るとドロドロ、雨がないときはカチンカチン。
自然には治癒力がありますが、座して待つだけではなかなか良くなりません。

 

そうしたところは、地下に強固な硬盤層や粘土層があります。

農機具による物理的アプローチで、積極的に壊したほうがいいです。

しかし滞った体もマッサージしすぎると返りが来るように、何事もほどほど、

腹八分目が肝心です。

地表は裸にしたくないし、上層部の状態が良ければその構造は壊したくありません。

 

地中の状態を知るため、60cmくらい掘ってみるといいです。

個人レベルの田畑ではユンボなど身近にないので、使える道具で地道にやりましょう。

 

 

●硬い土に生える雑草は、土を柔らかくする?
私の畑の雑草は、なりませんでした。
木津自然農の友人も、ならないと言っていました。
なるケースも、あるのかもしれません。

 

植物たちには、自分たちの住みやすい環境を 自ら作る、という側面があります。

硬い土が好きな植物には、硬い土を維持しようとする側面があります。
また反面、植物たちは助け合っており、近くにいてほしい草が柔らかい

土好きであれば、柔らかい土を用意しようとすると思います。

 

 

●おぎないが必要?
という考え方はおかしいと思います。
奇跡のリンゴの木村秋則さんは、山の木や草は肥料を与えていないのに

元気だ、ということを発見しました。

 

自然界で植物は、空気中の窒素や土壌中のリン酸を、自分の体内に

取り入れることができます。
土壌微生物に協力してもらうのです。
植物は、根から土壌微生物の好きな有機物を提供します。

ギブ&テイクの関係です。

 

空気中の窒素を吸収できるのですから、栄養素は無限にあります。
人が、化学合成窒素などの肥料をまくと、土の成分バランスが不自然になって、

土壌微生物のなかには生存できないものも出てきます。

 

自然の摂理に即したあげかただったら、いいと思います。

例えば果菜類は本来、熟れて落ちた実の養分が土にかえり、次の世代の種はそこで発芽します。

また土壌が十分に良くなっていない場合、対処療法としてあげたらいいと思います。

 

 

●畑に、米ヌカやモミ殻かをまく?
田んぼの残渣は、畑に適していないと感じます。
米ヌカやモミ殻は、畑ではなかなか分解されません。
地表を覆うための籾殻はいつまでも地表に残っているし、肥料がわりに

すきこんだ米ぬかはいつまでも分解されません。
ベトッとした土に米ぬかをまくと、ますますベトッとします。

 

グランドカバーとしてモミ殻が使いやすい時は、補いではなく資材として用います。

また燻炭にすると土に返りやすい。

精米で出る米ぬかも、ゴミ箱に捨てるより土に返すのがいいと思います。

 

 

●輪作は必要なこと?
前述のとおり、植物たちには、自分たちの住みやすい環境を作っていく習性があります。
種を近くに落とす植物は、毎年同じような場所で生きるのが自然です。
遠くへ運ぶ植物は、場所を移動させるのが自然です。

 

●種を筋まきする?
自然界では、種は筋には落ちません。

しかし人間がお世話しやすい位置に育ってもらうことも、大事です。

それぞれの作物がどのように種を蒔くのか想像し、人間の都合も加味して考え、

種の降ろし方を決めます。
作物自身に蒔いてもらうのと合わせ技にしても、良いと思います。

 

どんな種も自然界では、バラ蒔きというか、アトランダムに落ちますが、

種と種がくっついていると生育初期に徒長してしまいます。

徒長を防ぐため、間引くタイミングを逃さないよう神経を使うなど、仕事が増えます。

何蒔きにしても、土を被せる前に種と種がくっつかないようにすると、後が楽です。

 

野生種は、くっついていても間引かなくても、淘汰のメカニズムが働くそうです。

人間が蒔く種もそうなってくれたら、どんなにか楽でしょう!

種採りを繰り返していると、だんだんそうなるかも。

野生の感覚を失っているF1種は、人間のお世話しやすさ優先でいいと思います。

 

 

●湿り気を保つため鎮圧する?
自然農では、畝を立てたあと、種をおろしたあと、鎮圧します。
土が地中までほこほこしていれば、湿り気を保つために鎮圧するのは良いと思います。
しかし団粒構造でないベタッとした土を鎮圧すると、さらにベタッとしてしまいます。
鎮圧しないと乾きやすいのも確かなので、総合的に判断・対処しましょう。

 

●お椀やひしゃくで水やり?
植える前の苗や、苗の植え穴に、お椀やひしゃくで水をあげるのは、
団粒構造がしっかりできている土には問題ないかもしれませんが、
そうではない土質だと団粒構造をつぶしてしまいます。
じょうろであげるとマシです。

 

●通路の幅は?
自然農の畑では、通路が狭いことが多いように思います。
しかし動きにくいと、作業する気がなえます。
自給農法の市川ジャンさんは、畝を広くしようと欲張る前に、

ストレスなく動ける通路の確保が先、と言います。
自分が快適でないと、作物の快適さをおもんばかってあげられません。

 

●畝や通路はまっすぐ?
自然界に直線はありません。
水や風の流れはうねうねしています。

その方が水や風にとっては自然で、快適なのでしょう。
でも人は、真っすぐの方が作業しやすいので、真っすぐにするところと、

うねっていて差し支えないところの折り合いを、考えます。

 

 

●田んぼの中に溝を切る?

溝を切るのは、裏作の麦のため水はけを良くしたいから。
それと、水を張ってあるあいだ、水に動きをもたらすため。(と思います)
水は停滞していると澱んできます。
常に山水が補充され水が動いている棚田のようなところでは、必要ないと思います。

 

慣行農法の田に溝はありません。

水が停滞していないという微妙な居心地は、影響しないのでしょう。

 

 

 

 

西洋医は症状に対して薬を処方しますが、漢方医は症状ではなく体質に

対して処方します。
だから風邪をひいても、関節が痛くても、頭痛がしても、同じような

漢方薬が出たりします。
それは手抜きなのではなく、体質に対して処方するからなのです。
同じ風邪でも、人が違えば、合う漢方薬は違います。

 

慣行農法(肥料+農薬+F1の種)は、西洋薬に似ています。
どこでやっても、同じ結果が得られやすい手法なんです。
自然農法でうまく行かず慣行農法でうまく行った、慣行農法の方が優れ

てるじゃないか、という意見を幾度か聞きました。

しかし単純比較はできないのです。

 

自分の田畑に合うやり方を見つけるには、観察して、トライ&エラーを

繰り返すしかありません。
子育てと一緒で、他人の子育て法は、自分の子にぴったり当てはまらない。
すぐに答えがわからないし、すぐに結果は出ないのです。
曇りのない目で見て、曇りのない頭で考える、癖が大事です。

うまく行きだせば、自然農法のほうが格段に美味しくて栄養価の高い

作物が獲れるでしょう。

 

私が借りている田の一部を、自然農の知人に貸したときのこと。
現場を見ずに、”表面を5cmくらい軽く耕したい”と言うのです。
そこの土は黒くてホコホコしているのですが。
現地入りしてから、”畔豆を植えていいですか?”とも聞かれました。
そこの畔は人ひとりがやっと通れる幅しかありません。
一体どこに畔豆を植えるのでしょう。

 

日本の田畑の多くは、コンクリート化で本来の生命力を失っています。
化学物質で解決しようとするのは、人体に対する対処療法と一緒で、
その場をしのぐことはできますが、本来の治癒力は更に失われます。
本質的に良い田畑にし、良い作物を作るのに向いているのは、自然農法

だと思います。

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