中川恵バイオリン・ビオラ教室

バイオリン弓の毛替え

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バイオリン弓の毛替え

バイオリン弓の毛替え

2019/10/07

大阪府豊中市にある絃楽器工房セレーノ。阪急曽根駅から歩いて5分ほどのところにあります。今日はこちらへバイオリン弓の毛替えに行ってきました。

 

店主で職人の藤井さんは、老舗のバイオリン工房「丸一商店」でうん十年修行したのち、独立されました。20年前 私は当時ついていた先生の紹介で丸一商店へ毛替えに行き、そこからずっと杉本さんという職人さんにお世話になっていますが、藤井さんは杉本さんの同僚です。お2人は同世代で、丸一商店からの独立も同時期でした。

 

当時 丸一商店の工房では、奥野さんや馬場さんの直伝を受けた中堅~若手の職人さんたちが、ひしめき合って仕事をしていました。私は会社勤めの傍ら、土曜日になるといそいそと丸一へ行き、ここでバイオリンの構造やメンテナンスについて様々なことを学びました。

 

丸一には、古くなった顎当てなど、使われなくなったフィッティングパーツが山ほどあり、私には宝の山でした。納得のいく顎当てがほしくて、丸カンナを貸りて自分で削ったりもしました。

 

 

藤井さんに毛替えを依頼したのは、杉本さんがルッキを切らしていたからです。ルッキは標準よりグレードの高い馬毛です。初めてルッキにしてもらった時、その弾き心地の素晴らしさに「弓を買い換えたみたい!」と杉本さんに言うと、「みんなそう言うね~ん」と返事がかえってきました。強くて摩耗しにくいため、長持ちするとも言われました。

 

私にとってルッキは、これでなければ弾く仕事は引き受けられないと思うほどの存在ですが、藤井さんの工房では良いと感じてもらえなかったお客様もいるそうです。私も過去に、ルッキと同グレードの馬毛を張ったものの、良いと感じられなかった経験がありました。

 

私たちは何とか腕前をカバーしようと(笑)、弦や松脂を変えてみたりします。私も肩当て・顎当てほどではありませんが、いろいろと試してきました。しかしルッキほどのインパクトがある弦や松脂には、出会ったことがありません。 

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