枚方フィル クリスマス会
2019/12/22

枚方フィルのコンミスさんのおうちでのクリスマス会に、行ってきました。私にとっては年に1回、懐かしい枚方フィルの面々(といっても一部のメンバーだけだけど)に会える、楽しみなイベントです。
いまでは成人した子供さんが幼かったころから、ほぼ毎年参加しています。子供たちは身体が弱かったり、精神的に不安定だったりしたのですが、大人のお客様が遊びにきてもいつもリビングにいました。時に子供たちが癇癪をおこしても、それに辛抱強く接するのを見てきました。私の母とは異なる「母という存在の姿」を見ることは、得がたい学びでした。
到着すると、”恵さん、レモンを収穫して皆さんに配って” とハサミを渡してくれます。
私がお庭のレモンを気に入っている(狙っている)のを、知っているのです。
お手製&差し入れのご馳走を食べながら、あちこちで話の輪ができます。
今年は生徒さんから頂いたお菓子と、畑でとれた人参の葉の天ぷらを持参しました。
こんなマイナーな食べ物、みんなの口に合うかなあと心配したのですが、問題ありませんでした。
よそ家のテーブルに並ぶと、家で食べているのとちがい不思議な苦み感が新鮮で、私の舌にもいつも以上に美味しく感じました。
少しお腹がふくれるとアンサンブル大会です。今年はチェロ不在でしたが、チェロなしで四重奏をやったっていいし、チェロなしの弦楽三重奏の楽譜もあります。
酔っぱらったクラリネットのK嬢が、良く分からない楽譜をつぎつぎと繰り出してきます。
クラリネットやホルンや色んな楽器が入り乱れて、元はどういう編成の曲だったのかもわかりません。
枚方フィルのコンマス・コンミス両氏を「ちゃん」づけで呼ぶ、ビオラの姉御Iさん。いつも懐の大きさを感じる人生の先輩です。
Iさんが子供のころ、美味しい頂き物は全部父親が食べ、残りものが母親と子供たちに回ってきたのだそうです。私の母は美味しいものがあると、私と弟に半分づつ食べさせてくれ、自分は食べませんでした。唯一の尊敬できるところでした。
Iさんと私の会話を、K嬢が目を丸くして聞いています。彼女は両親から大事にされたみたいで、親から大切にされなかったという話が信じられない様子です。でもよくよく聞くと、父親からも母親からも可愛がられたものの、夫婦仲が悪かったそう。それで人の仲を取り持つおせっかいな性分になったのですね。
3つの親子関係のヘビーさに、三原順のマンガ「はみだしっ子」を思い出しました。ストリートチルドレンの男の子4人の関係が魅力的に描かれているマンガですが、それぞれの親子関係には非常に重たいものがあります。幼い頃の私はそもそも、路上で暮らしている子供がいる、ということの意味が良く分かりませんでした。しかも彼らには親もいるのに。
トラウマに苦しむ長兄のグレアムに、養父となったジャックが、自分にできることはないかと尋ねます。
「大人になるのも悪くない、って思わせてくれたら、それでいい」とグレアムは答えます。
日が暮れて宴もたけなわになると、例年参加者は2手に分かれます。テレビにかじりつく組と、そうでない組。いつもこの時期はフィギュアスケートの全日本選手権をやっているのです。
普段もの静かなオーボエのA女史が、そうでない組に向かって ”静かにしてください!”と言うほど「かじり組」は真剣です。
ある年Bさんが、お気に入りの選手の話に花を咲かせている「かじり組」に向かって、”無良くんのことも応援してあげてください” と静かに言いました。
一同??
Bさんは、男子シングル無良崇人くんのお父様と幼馴染で、よく一緒に遊んだのだそうです。
一番仲の良い友達だった、とまで言います。
”もしかして無良くんのお母さんだったかも知れないんだ!”
と叫んだのは私です。
ちょっと飛躍しすぎましたかね。