中川恵バイオリン・ビオラ教室

八幡市の田んぼの話

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田んぼとお米のはなし

田んぼとお米のはなし

2021/01/24

いま田んぼは3人でしています。畑と違い、1人でやるより幾人かでするほうが効率がいいのです。
2020年ひとりで田植えした八幡市の田んぼも、稲刈りを手伝ってもらいました。ひとりで行くと電動自転車で60分ですが、車で同志社前や松井山手で拾ってもらえます。 

 

昔は子供にもお年寄りにも、ふさわしい仕事がなにかしらありました。味噌作りも、大豆は炭火や薪火で煮るとおいしいのですが、火力を一定に保つために傍についていなければなりません。
我が家には火鉢があり、コーヒーのお湯などは炭火で沸かすのですが、長時間 煮込むものは無理です。火のそばについているダケという仕事は、エネルギーを持てあまします。
足踏み脱穀機の体験&手伝いに来てくれた 京田辺の天然酵母パン屋さん「マテア」のおばさんは、脱穀機を踏む大人に稲束を渡すのが、子供時分の仕事だったそうです。

 

私が食べている うるち米「旭」は、それ以上祖先をさかのぼることができない古い品種です。明治時代は西の「旭」 東の「亀の尾」と言われ、この2品種が日本中で作られていました。現在わたしたちが食べているお米は、殆ど「旭」「亀の尾」が先祖です。

 

 

古い品種は、お米アレルギーが出にくいと言われます。それは「でんぷん」の組成が違うからです。もち米のでんぷんは、アミロペクチン100%。うるち米のでんぷんは元々、アミロース25%、アミロペクチン75%くらいでした。

 

人は、平素うるち米を食べ、お正月やハレの日にもち米を食べてきました。しかし普段からもっとモチモチするお米が食べたいと、うるち米の品種改良を重ねました。そして最近の品種は、アミロペクチンが9割前後になったのです。

 

アミロペクチンが多いお米は、消化・吸収が速すぎる、体の糖化が進みやすい、などの問題があります。

昔の人は、もち米を食べると体が重たくなる、毎日これを食べていたら良くないな、という感覚があったのでしょう。おいしいもち米は、ハレの日だけのご馳走にしていたのです。
お米アレルギーは、アミロペクチンを、体を糖化させるものを拒否している状態、ともいえます。

 

ほかの食物と同様、残留農薬やタンパク質の問題も絡んでいます。

アミロペクチンが主要因ではない子も、いるでしょう。

 

 

「お米は多年草、田植えしなくても、前の年の切り株から生えてくる」どこで聞いたか忘れましたが、そんな情報を耳にしていました。
心の奥底で ”ほんとかも” と思いながら、”まさかね、それがホントなら苦労しないよ” と思っていました。
これまでの苦労が否定される、知識・常識がくつがえされる情報は、ニンゲン遠ざけたくなるものです。

 

しかしそれが、八幡市の田んぼで起きていました。あまり草取りをしてなかったものですから、勝手生えの稲がそこかしこに出穂していました。
植えてないのにラッキーだなあ、くらいにしか思っていませんでした。

が、刈るとき根元を見ると、去年刈りとった株から出ていました。こぼれ種からじゃなかった!

 

肥料をやらなくても野菜は育つ。やらないほうが育つ。
そう聞かされたときのニンゲンの反応も、きっと同じなのでしょう。
私も、その情報がやってきてから腑に落ちるまで、2年ほど要しました。

 

京田辺市の図書館で手にとった「自然農法を始めました」という本。これが初めての、肥料を控える農法との出会いでした。しかし物柔らかな語り口の文章だったこともあり、真髄を理解できませんでした。理解できていない、ということすら、分かっていませんでした。

 

「肥料は控えめなほうが作物は健康に育つ」とか「身体が動かなければバイオリンは弾けない」とか、話していてときおり、「ああ、(相手の中へ)入っていってないな」と感じることがあります。
それはとても残念なのですが、自分だって最初はそうだったよな、作物にしても、バイオリンにしても、と思い直します。
そうすれば分かってもらえなくても、自然とニコニコできます。そうなれるよう努力中です。

 

京田辺市の図書館は、気骨のある司書・スタッフがいるようです。オススメ本のコーナーに、常識がくつがえされる内容の本が、ときたま置かれています。自分の既成概念を壊されるのが楽しくて、いつもチェックしていました。

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