肩当てHAYATE
2021/12/04
大阪梅田のクロサワバイオリン
へ久しぶりに行ってきました。
付属品の品ぞろえがとても良いので、近くまで行ったときには立ち寄るようにしています。
色々チェックするだけで終わることも多いのですが今日は、
①HAYATEという肩当て
②CECILIAの松脂
③KORGのクリップチューナー
と、3つの付属品を購入しました。
①肩当てHAYATE
梅田のクロサワバイオリンで必ずチェックするのが肩当てのコーナー。
試弾できる肩当てが常時豊富に並んでいます。
探しにくいタイプの肩当て・顎当ては、いつもクロサワに相談や取り寄せをお願いします。
今日は HOMARE と HAYATE という2つの肩当てを試させてもらいました。
HOMAREは、読売日本交響楽団のビオラ奏者 二宮隆行さんが純国産のパーツで開発した肩当てです。
奈良から来ている生徒さんが、島村楽器で見つけて買ってきたのもを見せてくれたのですが、彼女の演奏フォームが良くなっていたので私も試してみたくなりました。
試弾して感じた一番の違いは、これまでの肩当てとは当たる場所が違うことでした。
通常多くのブリッジ型の肩当ては、主に両端の部分が身体に当たります。
HOMAREはどちらも当たらず、真ん中左胸に当たりました。
私はそこに当たるのがあまり居心地よくなかったので、HOMAREの購入は見送ることにしました。
しかし、イラッとさせられることが多い みぞおち側の端が当たらないのは、良いと思います。
通常のブリッジ型より高さを低めにできるので、ビオラの方がHOMAREの良さが発揮されるかもしれません。
ビオラ奏者が開発した肩当てですし、次回はビオラを持参して試してみたいと思います。
HAYATEは、WOLFに似ています。
私はWOLFの設計思想に好感を抱いていて、ビオラ用と合わせて5つ以上持っています。
HAYATEの外観にも、もしかしてこれ、いいかも、と思わせるものがありました。
構えてみると、肩当ての存在感が薄く、体を邪魔しません。
ブリッジ型の肩当ては、バイオリンをしっかり支えてくれる反面、身体の動きも押さえつけます。
そのため小さい子供は本能的にイヤがる傾向にあり、大人の生徒さんでもイヤがる方が一定数いらっしゃいます。
私も肩当てをしない演奏スタイルを模索してみたことがありますが、「肩当てなし」よりある方がマシという結論に至り、仕方なくブリッジ型肩当てを使っています。
ブリッジ型肩当ての気持ち悪さは、メガネはかけたくないけど、メガネをかけないと見えないから仕方なくかける、というのに似ています。
KUNの肩当てを持ってきていたので弾き比べてみましたが、KUNの肩当てが「オレの形状に合わせろ」と自己主張するのに対し、HAYATEは主張しません。
かといって頼りないわけでもない。
いつも念じた通りになかなか動いてくれない身体が、動きやすい気がします。
弾き終えたときが特に顕著で、いつも体を締めていたように感じるのに、それがありません。
金属加工の事業をされているアマチュアの奏者さんが、持ち込まれたそうです。
そのとき応対された青木店長は、学業でバイオリンを専攻されていた方で、「体を肩当てに合わせに行かなくて済むと感じた」「衝撃的だった」と語ってくれました。
私もこんな肩当ては今までに出会ったことがない、というのが正直な感想です。
まだ改良の必要そうな肩当てでしたが、使ってみたいという気持ちが勝りました。
発展途上のものを応援して、もっとこうしたら良くなるんじゃない?と口出ししてみたい。
けして安い値段ではありませんでしたが、購入に踏み切りました。
これからレッスンで生徒たちに使ってみてもらおうと思います。
HAYATE
HOMARE
マッハワン プラスチック 生徒が持っていたもの。
マッハワン唯一の欠点である、体に当たると痛い部分に、皮のクッションが付いている。
②CECILIAの松脂
松脂にうとい私ですが、今使っているベルナルデルがぺったんこになってきたこともあり、クロサワお勧めの CECILIAミニ をひとつ買ってみようと考えました。
「SOLO」「Piacere」「Signature Formula」三種類のいずれにするかは店頭で説明を聞いて決めようと思ったのですが、聞いてもようわかりません。
たまたまバイオリン用が Piacere しか無かったので、ご縁だと思いそれにしました。
③KORGのクリップチューナー
電子チューナーの置いてある場所を見ると、
〇クリップ型(KORG)
〇置き型(KORG)のメトロノーム機能あり
〇置き型(KORG)のメトロノーム機能なし
〇置き型用のクリップケーブル
が並んでいます。
過不足なしの完璧なラインナップ!
いつもT楽器の棚を見ているので、こんなことで感動してしまいます。
クリップチューナーについては、別立ての記事で書きますね。
クロサワバイオリンのスタッフは、音大でバイオリンやチェロを修めた方が多くいらっしゃいます。
知識がある上に勉強熱心で、初心者やアマチュアのお客様にも懇切丁寧に応じてくれます。
特に 山崎育三郎 似の青木店長 は、いつ訪れても「朝日のような爽やかな笑顔」で癒されます。
標題の写真は全て分数バイオリンです。
どのサイズも、複数の価格帯から選べるようになっています。
59千円レジンが取り扱っている新作で最も安いもので、その上位はグリガ。
4万円代の中古も置いてありました。
高価な楽器を取りあつかう本格的な専門店で、かような価格帯の分数バイオリンがこれだけストックされている楽器店は、なかなかありません。
クロサワバイオリンの楽器は高い、と友人たち ープロの先生方や職人さん達ー は言います。
(〇十万円~〇百万円の楽器についての話です。)
そうなのかもしれません。
私は、イタリアのこれこれ工房の新作だったら〇〇円くらいだとか、チェコのあの地域のオールドだったら〇〇円くらいだとか、興味がないので知りません。
でもバイオリンの専門家(専門店・工房)は、そうそう訪問しやすい場所にありません。
この人なら、このお店なら、誠意をもって対応してくれる、そう信じられることが、一番大切なのではないかと思います。
バイオリンの購入やメンテナンスは、目先の値段にまどわされず、本当にいいと信じられるお店や人と関わっていくと、長い目で見たときに結果として一番安くなります。