小さな子に練習してもらうには
2021/04/07
バイオリンは練習しないと上手になりません。
多くの習い事は「教室に通わせる=習う」ですが、バイオリンやピアノはおうちで毎日おさらいする必要があります。
小さくてもやる気を出してもらうためには、こんな方法があります。
★の数が多いほど 効果あり! です。
♫ 保護者さんが一緒にバイオリンを習う ★★★
未就学~低学年は2人で一緒にレッスンを受けるのがいいでしょう。上手になってきたら、連続したレッスン枠で個別に。自分からバイオリンを続けたいという気持ちになったら作戦終了です。
自分が習いたかったからと、子供さんを連れてくる保護者さんがおられます。しかし子供は「やらされている」感に敏感です。
また子供は、「いまさら無理だろう」という大人の尻ごみする気持ちにも敏感です。やってみたい気持ちのある方が先にスタートしましょう。チャレンジする大人の姿は、子供さんに前向きな影響を与えます。
♫ 保護者さんがピアノ伴奏する ★★
多くのバイオリン教本にはピアノ伴奏譜がついています。安いキーボードなら1万円以下であります。バイオリン習い始めの曲は、ピアノ伴奏もそう難しくありません。ピアノが全然わからない保護者さんへのサポートもしています。
♫ 兄弟姉妹で一緒に習う ★★
サイズアップしていく必要があるバイオリンの場合、上の子供が使わなくなった分数バイオリンを下の子供が使うと、楽器代が半額?ですみます。連続した枠でおひとりづつレッスンすることもできますし、子供さんの性格によっては2人一緒に教えることもできます。
それぞれにバイオリンとピアノをさせるのもいいでしょう。どちらの楽器も習い始めは似たような曲をしますので、相互に刺激になります。
バイオリンはイ長調から、ピアノはハ長調から始めるので、一緒に弾くのは難しいかもしれません。
(お姉ちゃんのピアノと一緒に同じ曲を弾いている、と言う8歳の子がいます。調が違うはずなのですが、どちらかが移調しているのでしょうか? 子供の柔軟性というのは大したものです。)
♫ おもちゃのように気軽に触って遊んでもらう ★★★
バイオリンケースの蓋を開けっぱなしにして、すぐ触れる場所に置いておきます。ただこれは破壊されるリスクもあります。
オススメは目につく壁に掛けておくこと。子供の手の届かない高さに、バイオリンと弓をぶら下げて、頼まれたら大人が取ってあげます。
♫ 2人で演奏する ★★★
1人が音程を押さえて、1人が弓を引きます。弓を引くかわりに弦をはじいてもいいです。
椅子や台の上などに置いてやります。親子でも、兄弟姉妹でもできます。
♫ 年が近い子のレッスンの前か後に来る ★★★
自分と同じような年齢や進度の子供が、バイオリンを触っている姿を見ると、自分もやってみよう、自分にだってできるんだ、という気持ちになります。
♫ 生活のなかに組み込む ★★★
バイオリンを弾いてから朝ごはん。
バイオリンを弾いたら3時のおやつ。
学校から帰ってきたら、まずバイオリンを10分弾く。
など。
夕食後はバイオリンを弾く時間。
お母さんがお皿を洗っているあいだ、お父さんが聴いてあげる。
日によっては その逆にしてもいい。
8時になったら じいじとばあばがテレビ電話をかけてきて、披露する。
学校行事やお出かけで時間割りが普段と違うばあいは、練習しなくてもいい等、各家庭に合ったルールを本人と相談して決める。
♫ おやつなど物欲でつる ☆
最終手段。「バイオリンを弾いたらおやつの時間だよ」と「バイオリンを弾いたからおやつをあげるね」は、似ていますが少し違います。
♫ ほめる ★
どんどん褒めて大丈夫な時期と、そうではない時期があります。
どんどん褒めて大丈夫な子と、そうではない子がいます。
「バイオリンは難しくて上手に弾けない」と感じている子は、過度にほめられると、「上手にできない自分を見せたくない」という理由から、弾かなくなることがあります。
本人が上手に弾けた・頑張ったと思うタイミングと、大人の褒めるタイミングが一致すると、効力があります。
♫ 否定的なことを言わない ★★★
肯定的な言葉を返してあげられないときは、中立的な返事をしましょう。
例えば ”今の良かった?” と聴かれて、良かったと感じられないときは、”そうねえ” などと返事をします。
♫ 余計なことをしない ★★★
何が「余計なこと」かは、大変難しいです。子供の性格によっても違います。先生も地雷を踏むことがあります。以下の事例を参考にしてみてください。
●先生から教わったのと違う楽器の扱い方や構え方をしたとき、「それは違うよ」と言う。ベターな対処法は、さりげなく直してしまうことです。直せない事柄は、ほっておくしかない。
●ほかの子(同窓生・兄弟)と比べて、「ほら弾いてるよ」「ああしてごらん」などと言う。
●指番号を書く。保護者さんが指番号を書くのは、先生から「書いてください」と指示された範囲内にとどめるのがいいと思います。または、先生がどういうときに指番号を書き、どういうときに書かないかを観察して、それに準じてください。
●楽譜を与える。子供に無力感を与えてしまうこともあれば、甘やかしになることもあります。楽譜を買ってやりたいときは、先生に相談しましょう。
「分数バイオリン/子供たち」タグのブログ記事も、参考になさってください。