中川恵バイオリン・ビオラ教室

アマオケに入ろう

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アマオケに入ろう

アマオケに入ろう

2022/06/01

譜面台は1人1本、そしてマスク姿ではありますが、アマオケの活動も戻ってきました。ここ2年の過ごし方は、地域差もありアマオケにより様々でしたが、どこのオケも忍耐強く、そして逞しかったと思います。

 

バイオリン教室には大人の初心者さんたちが沢山いらっしゃいます。アマオケを目指している方もおられます。
どのくらいバイオリンが弾けるようになったらアマオケに入れるのでしょう? 実はハードルは高くないのです。

 

(1) バイオリンを持っていること
(2) 団費が払えること
(3) 合奏のジャマをしないこと

 

この3点がクリアできたら、アマオケに入れます。

 

えっ? じゃあ一番後ろの席でバイオリンを構えているだけでもいいのですか?

 

答えはYESです。

 

ちょっと極端な回答かもしれませんが、本当です。

オケの方針によって違いますが、入れてくれるオケは沢山あります。

 

技術レベルの高い演奏を目指しているアマオケもあります。そうした団ではしっかり弾けなければなりません。しかし多くのアマオケでは、バイオリンの演奏技術より、「よい仲間になれるか」を大切にしています。団の名称に市町村名が入っているアマオケは、そうしたところが多いです。
それぞれの考え方や方針は、たいていHPに書いてあります。

 

アマオケの仲間に入れてもらえるかどうかのポイントとなる (3) 合奏の邪魔をしない とはどういうことなのか?  具体的に説明していきましょう。

 

 

①休みのところで音を出さない

 

休みのところで音を出してしまうと、合奏を邪魔してしまいます。休符のところで音を出してはいけません。楽譜を読み間違えないよう、カウントを間違えないようにしましょう。

 

それから音の長さです。周囲と同じ長さで弾かなければなりません。周囲より自分が短いばあいは気づきますが、自分が長いと気づくことができません。

 

例1:音を切って弾く箇所を、音をつなげて弾いてしまわない
 空白が欲しい部分で、1人だけ音を出していることになります。

 

例2:センテンスの終わりの音を、伸ばしすぎない
 終わりの音の長さは、人それぞれの感じ方によってバラツキが出ます。自分が気持ちよく弾いていたら、1人だけ音が長く残っているのに気がつかないこともありえます。
 私は、エキストラとして団員さんの中へあとから入ったばあい、弾きながらでは察知できない箇所を、音量を押さえたり/弾かずに弾いているフリをして、確認することがあります。

 

パート全体がどんな音の長さにしているか、どんな音のニュアンスで弾いているか、アンテナを巡らせるよう心がけましょう。

 

 

②静かなところで大きな音で弾かない(音量を守る)

 

音楽は静かなときもあれば盛り上がるときもあります。楽譜には音量についての指示が細かく書かれています。「音量を小さく」という指示は、必ず守りましょう。

 

自分が小さな音で弾いているときは、周りの音程や音量もわかります。
周りが小さな音で弾いているとき、自分が大きな音を出していたら、気づくことができません。

安易な音量や音程で、合奏を邪魔しないように気をつけましょう。

 

独奏曲のピアノと、オーケストラ曲のピアノは、出すべき音量が違います。独奏曲は1人で弾きますが、オーケストラは10人で弾くからです。

レッスンで弾いている曲は独奏曲です。音の大きさ(デシベル)は、足し算や掛け算で決まるものではないのですが、オーケストラでのピアノはいつもの音量の1/10と心得ましょう。

 

 

音楽が大音量で盛り上がっているときは、少し思い切って弾いてみましょう。
こんなことを言うと身も蓋もありませんが、なにをしても邪魔になりません。とくに金管がばんばん鳴っているときは、正しい音を出しても、間違った音を出しても、聴こえません。(オケあるある)

 

ただ、音程が正しいとかズレているというレベルでは分からなくても、周波数分布が変われば音楽・音色への影響はあるはずです。

 

 

③周囲と同じテンポで弾く(速度を守る)

 

パート内でシンクロするように弾きましょう。速くても遅くてもいけません。

 

起こりがちなのは、速く弾いてしまうことです。自分が周りより遅かったら気がつきます。速いと気づけません。

 

テンポを合わせる技術、アンサンブルの技術は、曲が弾ける技術とはまた別です。

バイオリンの個人レッスンを受け、難しい曲が弾けるようになるにつれ、自動的にアンサンブル力もつく。とは必ずしもなりません。


スズキメソードのカリキュラムでは、初級時に2ndバイオリンとの合奏をたくさんやりますが、スズキで育った子とそうでない子の違いを感じたこともあります。

 


先日レッスンで生徒から、「プロのオ―ケストラで弾いてる人は間違えないんですか?」と聞かれました。

オーケストラの1stバイオリン譜は、難易度も高く、音符数も膨大です。一流の演奏家といえども人間ですから、プログラミングされたような完璧な演奏はできません。
本人は間違えたと自覚しても隣人にすら分からないくらいの程度だったり、またその程度に済ませてしまう対処法を心得ている、というのが回答になるでしょうか。

 

テレビでN響を見ていると、2人で1本の譜面台に戻っていますね。マスクも各自の判断に任されているようで、弦楽器でもしていない奏者がいます。

マスクを付けるとバイオリンが弾きにくい、その身体感覚は皆さんありますか?

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