中川恵バイオリン・ビオラ教室

左指が回らないとき

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左指が回らないとき

左指が回らないとき

2019/11/20

トリルや装飾音符の左指が回らないのは、指の問題ではありません。左腕の付け根、肩や胸がこわばっているからです。

 

私がよくやるのは、脇の下に「マチ」があるようにイメージすることです。胸郭と上腕がすっきりセパレートしているように意識します。胸郭の上に腕が乗っている、胸郭より肘が下にある感じ。

 

「マチ」部分の、前のヒレ部分と後ろのヒレ部分が、たぽたぽしていて分厚くなるようイメージします。実際に反対側の手でふれて、イメージを強化します。肩甲骨が動く(体側側にスライドする)ので、それを感じます。 

 

背骨と肩甲骨のあいだを広くする。セパレートする。その部分の肉を無くしてしまって、肩甲骨が浮いているようにイメージする。 

 

いずれも両腕同時にやると一挙両得です。

 

 

左親指のポジショニングも大事です。

・左親指とネックの接点が手前すぎないこと。

・指の腹が内側(ネック側)を向いていると、4本の指は自由に動きません。外側(自分の顔側)へ向けるようにしましょう。

・指板から上方に出すぎるのも、動きにくい原因となります。(腕が長く手が大きい方は、これに該当しないこともあります)

身体感覚が良ければ、左脳で調整しなくても、上記のようになります。

 

助けをかりることができるなら、左親指の付け根「合谷」というツボの てのひら側をグイッと押してもらい、その部分に入っている筋力を強制的に解除すると、4本の指がぱらぱらと動きやすくなります。

1人で矯正に取り組む場合は、消しゴム・ちびた鉛筆・ポストイットなどを挟んで刺激とします。

ここに力が入って てのひらが丸まっていると、

 

身体は、体幹などの大きな部分を改善できると、指など小さな部分は勝手に良くなることが多いです。

 

 

30代半ばごろトリルが回らなくなってきました。身体の使い方に問題があるのだろう、と思いました。教えてくれる人や情報を求めて東奔西走。

少しづつ自分の身体感覚を養って、いろんな手法を蓄積して、指回りは戻ってきました。

 

筋肉で最も大切なのは前鋸筋(ぜんきょきん)。大きなフレームでは大胸筋、広背筋。

骨でキーとなるのは肩甲骨です。肩甲骨は、人間が直立二足歩行になったため、抜本的な変化を求められました。四つ足で地上をかける生き物や、空を飛ぶ生き物たちと、まるで違います。 

 

この部位のパーツの位置取りや連携動作は、まだ満足できるレベルに達していません。

毎年ひとつづつ繰り上がる年齢を横目で見ながら、まだちょっとづつ上達してるぞ、と勉強に励んでいます。

 

「マチ」はいろんなところに必要です。

脚と脚の間、指と指の間など。

 

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