中川恵バイオリン・ビオラ教室

バイオリンを弾くためには骨盤と股関節が大事!

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骨盤と股関節

骨盤と股関節

2021/07/26

■バイオリンを座って弾くとき、太ももを外側へひらく方が多いのが気になっています。
男性が多いです。おじさまだけかと思いきや高校男子もなります。

 

■太ももを外側へ開くと楽なのは、腹部の深層筋を使わなくてすむからだと思います。
深層筋とは、身体の深いところに位置する筋肉のこと。インナーマッスルとも言います。

腹部の深層筋を使えないと太ももが外側へ開いてしまいます。この座り方ですと骨盤が後ろへ傾きます。太ももを閉じようとしても、骨盤を立てようとしても、なりません。

休息するときは骨盤が傾いているのが楽です。産まれる前の羊水のなかでは、私たちはそうした姿勢になっています。横向きに寝るときもそうなります。

しかし、交感神経ONモードでなにかするときは、骨盤が起きていないと身体が駆動してくれません。バイオリンを弾くとき、体を使うとき、仕事をするとき、勉強するとき。

また、交感神経ON時は骨盤は起きているの良い、という単純な話ではなく、柔軟であることが大切です。

 

チーターが全速力で走っている映像で、仙骨のあたりを固定したものを見たことがあります。仙骨とはしっぽの付け根、骨盤の上部に位置します。
骨盤の下部が大きく滑らかに角度を変え、股関節は円を描くように動いていました。
野生の生き物たちは、骨盤・股関節の可動域が大きくしなやかな個体が、獲物を捕らえることができ、逃げることができ、生き残ります。

 

■座ったとき太ももが外側へ開く姿が女性に見られないのは、服装からくる姿勢の慣習であって、深層筋が使えておらず骨盤が立てられない方はたくさんおられると思います。

私も、会社勤めにおいて本音を強く隠しだした頃から十数年、骨盤をずっと寝かせていた時期があります。立てる方向への傾きを取り戻すのに何年もかかりました。骨盤の可動域は戻りましたが、右の股関節に難があります。足・脚に起因するのですが、どうすれば改善できるのか行き詰っています。

 

■バイオリンを弾くには高度な身体操作がいります。故に大人になってから始めても巧くならないといわれ、挫折する人が多い。
しかし逆転の発想をすれば、身体を柔らかく使えるようにしていけばジワジワ上達できるのです。

 

私が骨盤を起こす訓練を粘り強くできたのは、バイオリンのためというより、身体がしんどかったからです。

そもそも人間はぐうたらに出来ていて、なにか困ったことが起きないと現状を変えようとしません。そう考えると、病気や身体の辛さは、神様からのギフトと考えることもできます。(欲しくないけど。)

私の身体能力は、天賦のものではなく地道な努力によるものです。凡人でもこのように身体を動かせるようになるものです。

神様からのギフト(右肩の痛み)はまだ続いているので、努力もしぶしぶ続いています。

 

■私は太ももを外側へ放り出したくはなりませんが、

そうしたポーズを取ってみると、

×骨盤を寝かせたくなる。
×深部の筋肉を使っていない。
×仙骨(しっぽの付け根)と大殿筋を内側へ押し込めている。
×体側にある、縦方向に支えるエネルギーの流れが失せる。
×骨盤のうえに上体を乗せると、後ろへ倒れてしまうので、無意識に変な支え方をしている。

といったことを実感します。

 

■骨盤は、ぐるりと輪になったパンツのような形をしていますが、左右に分かれています。

背中側は、あいだに仙骨があり、その接点は仙腸関節といいます。

前側は一見つながっているように見えますが、医学的には「恥骨結合」といい、骨としてつながっていません。

 

仙腸関節と恥骨結合が柔軟でないと、出産のとき赤ちゃんが出てこれません。バイオリンも仙腸関節が動きやすいほうが弾きやすいです。

仙骨と骨盤の関節をなぜ仙 ”腸” 関節と呼ぶのか? 骨盤は、換骨(カンコツ)・座骨・恥骨の3部位が合体した骨で、さらに換骨の上部を腸骨(チョウコツ)と呼ぶからです。

頭蓋骨もそうなのですが、ひとかたまりの骨ではなく、いくつかの分野がゆるやかに集合して固まっています。3部位はもともと軟骨結合で、骨結合するのは成人のころ。その時期までがしなやかな腰を作る大事な年齢になります。

 

■深層筋は、幼少期に鬼ごっこなど外遊びをしていれば、自然と鍛えられます。
残念ながら我々現代人は鍛えられていませんが、大人になってからでも遅くありません。
還暦を越えた生徒さんでも、細く長く続けていると、演奏フォームが自然になってきて、体も楽になるようです。

 

骨盤・股関節の動きを良くすることは、

〇健康になる

〇美しくなる

〇いろんなことをするのが楽になる

と、一石何鳥もの効果があります。

 

レッスンにて身体をゆるめることのできた生徒さんが、美人になる・男前になる現象を、私はいつも目の当たりにしています。

深層筋の鍛え方、骨盤や股関節の可動域の改善は、スポーツトレーナーや身体エクササイズの専門家が書いた記事や書籍がたくさんあります。
バイオリンの演奏フォーム改善でも良くなっていくので、レッスンにお越しになるのも一計と思います。

 

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