バイオリンのAからDは、高めに取ります
2023/01/27
電子チューナーで1弦づつ合わせていたアジャスター調弦から、2弦鳴らして合わせるペグ調弦へ移行すると、ほとんどの生徒さんにある疑問が生じます。
AD2弦鳴らして、耳で取ったDの音程が、チューナーで測ると低い。
それは耳で取った音程は純正律なのに対し、電子チューナーは平均律だからです。純正律と平均律の意味は、ネットで調べてください。わかりやすく解説してくれている記事や動画があります。
私が子供のころ、電子チューナーはありませんでした。(私の身のまわりに無かっただけかもしれない。)
ちっちゃかった頃は、ステンレスの重たい調子笛を口にくわえて、1音づつ調整していました。調子笛は正確さがイマイチですが、五度の感覚はバイオリンを弾いているうちに身について、自分の音感で修正していました。
440Hzの音叉も持っていました。音叉からAを調弦することもしていましたが、2弦鳴らしてDGEを取ることはしていませんでした。
大人になり、弦楽アンサンブルのサークルに入りました。その頃のアマオケは、今のように全員ではありませんが、電子チューナーを持ちだしていました。
オケの一斉チューニングでAを取ったあと、耳でDGEを取っていたら、ビオラトップから「2弦鳴らして取るほうがいいよ」と言われました。
「2弦鳴らして取ると、Dが低くなっちゃうんです」と答えると、隣のバイオリン友達も「私も低くなります」と言いました。私たちはその原因をすごく知りたかったのですが、ビオラトップの方は訴えそのものが分からないようでした。
今にして思えばビオラトップの方は、個人レッスンではなくオケからスタートしていて、最初から平均律の響きで2弦の音を捉ていたのだと思います。
AからDを取るときは、Dを少し高めにします。
DからGを取るときも、Gを少し高めにします。
AからEを取るときは、Eを少し低めにすると平均律になるのですが、私はぴったり(純正律)にします。(これについては様々な意見があります。)
どのくらい高めにするかは、2弦鳴らしたときの音の響きを覚えます。
①Aをチューナーで合わせる
②AからDを耳で取る
③Dをチューナー確認して(低めのはず)、チューナーに合わせる
④AD2弦鳴らして、音のびびり具合を聴く
などすると、練習になるでしょう。
セントという単位があります。簡単に言うと、半音の1/100です。
A線とD線は完全五度で、完全五度の純正律と平均律の違いは2セントです。
耳で取ったDは、Dシャープとの音程の差の2/100高くすれば、平均律になります。