中川恵バイオリン・ビオラ教室

アンサンブルレッスンの曲選び

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アンサンブルレッスンの曲選び

アンサンブルレッスンの曲選び

2023/03/15

バイオリン教室のアンサンブルレッスンは、1stバイオリン・2ndバイオリン・ビオラ・チェロ4パートの弦楽合奏で行いますが、クラシック曲のなかで弦楽合奏曲というジャンルのものはとても少ないのです。そのため、四重奏曲も選択肢に入れて検討します。

 

四重奏曲とは、1stバイオリン・2ndバイオリン・ビオラ・チェロどのパートも1人づつ、計4人で演奏する曲。
弦楽合奏曲は各パート複数名なので、最低でも8人以上となります。

 

弦楽合奏曲というジャンルには、コントラバスを入れた5パートの編成も多く、バロック時代の曲にはピアノ(チェンバロ)が通奏低音として加わります。

 

 

またバロック時代の弦楽合奏曲には、合奏協奏曲(コンチェルトグロッソ)と呼ばれるタイプのものがあります。これは、各パートのトップの奏者が、時々1人でソロを弾きます。


バロック時代には、弦楽合奏曲・合奏協奏曲(コンチェルトグロッソ)がわんさと作られました。しかしどれも似通っていて、必ずしも易しくはありません。

 

演奏される場は主に、貴族の社交界と教会です。

貴族から注文を受けた音楽家たちは、依頼主の腕前や好みに合わせて曲を作りました。そのため、上手な奏者とそうでない奏者が一緒に弾ける、コンチェルトグロッソという形式の曲がたくさん作られました。
ヴィヴァルディは、教会で演奏する孤児の女性たちのために曲を書きましたが、やはり才能のある奏者に見せ場を用意しようと、コンチェルトグロッソを多く作りました。

 

 

 

アンサンブルレッスンの曲選びは、その時々の生徒さんたちの顔ぶれや好みを考えて、決めます。

将来的には、経験者さんと初心者さん2グループに分けて、レッスンできたらいいなと考えています。

 

●合奏して楽しいもの
 聴いていて楽しい曲が、必ずしも弾いていて楽しい曲にはなりません。メロディと伴奏が完全に分かれているものや、ユニゾンが多い曲は楽しくありません。フーガなど どのパートにも主旋律があるもの、対旋律が魅力的なものが、弾いていて楽しいです。

 

●勉強になるもの

●有名なもの。将来アマチュアの楽団に入ったとき、やるかもしれないもの

●楽譜が手に入るもの
 TPPで、著作権の保護が没後50年から70年に延び、ブリテンや芥川也寸志が遠のいてしまいました。

 

●2ndバイオリンが易しいもの
 これが最重要かもしれません。早い生徒さんは、バイオリンを始めて半年でアンサンブルレッスンに参加します。

 

●ビオラやチェロがつまらなくないもの
 曲が素敵でも、ビオラがつまらないものがあります。2ndバイオリンが易しいものは、ビオラパートも易しく、チェロパートは更に易しくなります。チェロは最下音なので音を出しているだけで楽しい、という側面がありますが、ビオラは内声ゆえに音が埋没してしまいます。

 

 アマオケのアンコール曲は、主に管打楽器の出番の都合で決まります。曰く、本編でトロンボーンの出番が少なかったから、トロンボーンが活躍する曲。曰く、ハープと打楽器をたくさん借りちゃったから、それらが使える曲。

アンサンブルレッスンでもポピュラー曲を追加することがありますが、考え方は一緒です。(^^;) この春のアンサンブルレッスンでは「ジュピター」を追加しました。

 

●レベルの高い生徒さんも満足できるもの
 1stバイオリンにどなたが参加されるか顔ぶれを予想して(募集前に曲を決めるワケだから)、腕の立つ生徒さんでもつまらなくない曲、見せ場を用意できる曲を考えます。

 

 

 

 

そろそろ秋の課題曲を検討する時期なので、思いつく弦楽合奏曲・合奏協奏曲(コンチェルトグロッソ)を書きだしてみました。おおむね時代順。今後アンサンブルレッスンで取りあげるつもりの曲は ♫ にしています。

 

弦楽合奏曲

 

♩ カノン パッヘルベル
♩ おもちゃの交響曲 アンゲラ―(モーツアルト)

 

♫ ディヴェルティメント K.136~138 モーツアルト
  永遠の名曲。私のイチオシは138の第2楽章です。

 

♩ アイネクライネナハトムジーク K.525 モーツアルト
  以前初心者さんでもできる2&3楽章をしました。

 

♩ 弦楽のためのソナタ ロッシーニ

  元来は 1stバイオリン・2ndバイオリン・チェロ・コントラバスの四重奏。手持ちの楽譜を見たら、ビオラ譜が付いていました。きっとビオラパートがないと使い道が少ない(楽譜が売れない)ので、ロッシーニの後世に編曲されたのでしょう。


♩ 弦楽のための交響曲 No. 1-13 メンデルスゾーン

 

♫ 弦楽セレナーデ op.48 チャイコフスキー
  名曲、難しいでござる。やれるとしたら2楽章か。

 

♩ 弦楽セレナーデ op.22 ドヴォルジャーク


♫ ホルベルグ組曲 op.40 グリーグ
  有名で素敵な曲。弦五部で、Vaが2、Vcが3要る。

 

♩ イタリア風セレナーデ ヴォルフ


♩ チャイコフスキーの主題による変奏曲 op.35a アレンスキー


♫ 小組曲 op.1 ニールセン

  マイナーな曲ですが好きなんです。やれそうなのは第2組曲かな。

 

♫ アンダンテ・フェスティーボ JS34 op.117a、ほか シベリウス
  最初は四重奏曲として書かれ、のちにコントラバスを加えた弦楽合奏曲になりました。任意に加えるティンパニパートもあります。

 

♫ セントポール組曲 op.29 ホルスト
  2018年に1楽章をやりました。ほかの楽章もぜひしたい。

 

♩ リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲 レスピーギ


♩ 弦楽のための組曲 H93、ほか ブリッジ

 

♫ カプリオール組曲 ウォーロック

 

♩ 弦楽のためのアダージョ op.11 バーバー

 

♩ シンプル・シンフォニー Op.4 ブリテン
  アンサンブルレッスン向き。第3・4楽章だと初心者さんも参加できそう。

 

♩ トリプティーク 芥川也寸志
  弦楽合奏が好きなら一度はやってみたい曲。


 

合奏協奏曲(コンチェルトグロッソ)

 

♩ クリスマス協奏曲 コレッリ
  2023年春のアンサンブルレッスンで3・4楽章をします。いずれ5・6楽章もしたい。

 

♩ 四季より春 ヴィヴァルディ
  2019年に1楽章をやりました。メンバーが変わっているのでまたやってもいいですね。夏秋冬はコンチェルトです。

 

♫ 調和の霊感 op.3-8  RV522 ヴィヴァルディ
  調和の霊感(または調和の幻想)作品3は、12曲から成るヴィヴァルディらしい素敵な名曲の宝庫。

 

♩ 2つのバイオリンのための協奏曲 J.S.バッハ
  この曲はバッハの3つ目の「バイオリン協奏曲」と位置づけられていますが、ソロがトゥッティの一員となるところも沢山あります。

 

♩ ブランデンブルク協奏曲 第3番 BWV1048、第5番 BWV1051 J.S.バッハ
  いわずとしれた名曲。アンサンブルレッスンには、2ndバイオリンが少し難しいか。5番はバイオリンとフルートの2ソロですが、どちらもト音記号で音域が同じです。

 

♩ 合奏協奏曲 op.6 ヘンデル

  12曲からなる合奏協奏曲集。ヴィヴァルディの調和の霊感と違い、ソロバイオリンはずっと2本。

 

♩ セレナータ・ノットゥルナ K.239 モーツアルト

  コンチェルトグロッソのソロは、1stバイオリン・2ndバイオリン・チェロというパターンが多いのですが、この曲は 1stバイオリン・2ndバイオリン・ビオラ・コントラバスのソロです。

 

♩ ルーマニア民族舞曲 sz68 バルトーク

  元々ピアノソロの曲ですが、バイオリン&ピアノ版が有名。オーケストラ・弦楽合奏・管楽合奏の編曲もあります。

 

♫ 弦楽のためのディヴェルティメント sz113 バルトーク


♩ 合奏協奏曲 ブロッホ

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