中川恵バイオリン・ビオラ教室

バイオリン初心者さんの、目的別スケール練習

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バイオリン初心者さんの、目的別スケール練習

バイオリン初心者さんの、目的別スケール練習

2023/11/28

経験者さんも、これらの練習がもう自分には必要のないものか、確認してみましょう。

 

ピアノを習い始めたとき最初にやるのはハ長調です。それは白い鍵盤だけで弾くことができ、体(指)が一番 楽だからです。

 

バイオリンで体に一番易しいのは、D線の開放弦がドになるニ長調。真ん中の2弦で1オクターブが弾けます。
殆どの教本が、A線がドになるイ長調で始まるのは、バイオリンという楽器はA線とE線を使うことが多いためと、子供が聴きやすい音域だからです。

 

聴きやすい音域は年齢とともに下がるので、大人の初心者さんにはニ長調から始まるバイオリン教本があってもいいかもしれません。私のレッスンでは、弦を1本下げて、イ長調の曲をニ長調に変えて練習したりします。相対音感も付きます。

音楽を仕事にするのでなければ、絶対音感はむしろ邪魔です。アマチュアとして音楽を楽しむなら、相対音感が役立ちます。


連番を打っていますが、やる順番は生徒さんにより様々ですし、全てをやるわけじゃありません。理解度が高ければしないものもあります。

 

⑥以外、上がる指番号しか書いていませんが、下がるのもセットで行います。

2オクターブのとき中間のドを弾きなおすのは、調性感を失わないようにするのと、偶数の音符群は ПVПV で弾くと覚えてもらうためです。

 


①最初にやる、肉体的に一番楽なスケール


A線から 01230123 32103210
D線から 01230123 32103210
G線から 01230123 32103210

 

※3パターンのどれに重点を置いて練習するかは、生徒さんの肉体的な得手不得手をみて判断します。

 

<効能>
●0123で音が1つづつ上がり、3210で下がることが、理解できる
●どの指に移るときフォームが崩れるか、指摘に自覚することができる

 (何ができていないか自覚するには、具体性がいる。)
●音と音の間隔は、指がはなれている時と、くっつく時があると理解できる

 

 

②左小指を使うスケール

 

A線から 12341234 43214321

D線から 12341234 43214321

G線から 12341234 43214321

 

<効能>
●3と4がくっつくため、小指が置きやすい
●123を等間隔で開く練習になる
●小指を早くデビューさせることで、フォームが整う
●ミファとシドは、指がくっつくと理解できる
 ドレミファとソラシドは、音と音の間隔が同じであると理解できる(どこのポジションへ行ってもスケールが弾ける)

 

※3の指を、3のテープと4のテープの間に置くことになるため、思考に混乱が起きることがあります。

 ①→②と進めない場合は、①の途中の0を4にしたスケール練習をはさみます。


A線から 01234123 32143210
D線から 01234123 32143210
G線から 01234123 32143210

 

 

③4弦使った、2オクターブのスケール

※2オクターブのスケールは、1オクターブづつ、上がって、上がって、下がって、下がります。

 1オクターブ上がったところの「ド」で止まり、再度「ド」から2オクターブ目を弾きます。

 

G線から 01230123 30123012 21032103 32103210

 

<効能>
●弦によって、2の指を置く場所に違いが出ることが理解できる
●弦によって2を、3に寄せたり1に寄せたりすることが理解できる

●いろんなドレミファソラシドがあると理解できる

 

 

④ハ長調のスケール 1オクターブ目

※ピアノの鍵盤を見ながら、一緒に弾きます。

 

G線から 30123012 21032103

 

<効能>

●2が高かったのは、シャープが付いていたからだとわかる

 

 

⑤ハ長調のスケール 2オクターブ目

 

A線から 23012344 44321032

 

<効能>

●E線の1は、シャープが付いていたのだとわかる
●0と1の間にも、音があったとわかる

 


⑥ハ長調のスケール フルコース

※2オクターブ上がって2オクターブ下がったところでは、まだG線の012を使っていません。続けてG線上でドシラソラシドと弾きます。

 

G線から 30123012 23012344 44321032 21032103 3210123

 

<効能>
●4弦✕4指 全箇所の、ナチュラルの場所がわかる
●楽譜を読んで、音を出すことが出来るようになる
 知らない曲でも弾けるようになる
 耳を使ってなんとなく弾いていた曲の、音程があやしい箇所を、自力でチェックできるようになる

 

※私の教室でバイオリンを始めた方すべてに、これをやってもらいます。ピアノをしていた、楽譜が読める、絶対音感がある、といった生徒さんは、早めにやります。

 


⑦行きは0で帰りは4

 

①~⑥を、上がるときは0、下がるときは4で弾く。

 

<効能>
●0=4だとわかる

 

※2年生から5年習ってスズキ3巻を弾いていた子が、0=4が理解できていないと判明したことがあります。油断禁物。基礎練習をイヤがるので、スケールはあまりやらせていませんでしたが、やっぱり大事でした。

 


⑧フラット系の長調のスケール

 

<効能>
●1が下がるのはE線だけでないとわかる

●どの指もだんだん下がってくると分かる
●調号を見て、左指を置く場所のイメージが作れるようになる

 

 

⑨短調のスケール


※長調が、脳と体にしっかり入ってから、行います。

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