中川恵バイオリン・ビオラ教室

京都南部バイオリン教室の基礎練習 教本と使い方 [6] ビオラ

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基礎練習 教本と使い方 [6] ビオラ

基礎練習 教本と使い方 [6] ビオラ

2020/05/23

ビオラ基礎練習用の教本と、バイオリン教室におけるレッスンでの使い方を、ご紹介しています。

目次

[6]ビオラの教本

 (1)磯 良男 先生   2冊の教本
   ①初心者のための やさしいヴィオラ入門
   ②ビオラ教則本

 (2)ジットとダンクラ、ほか
   ①ジット
   ②ダンクラ
   ③テレマン、グラズノフ

 (3)STAINER & BELL 社の教本 
   ①VIOLA SCHOOL OF PROGRESSIVE  
   ②SELECT STUDIES for THE VIOLA

 (4)バイオリン/チェロの教本
   ①バイオリン教本
   ②バッハの無伴奏チェロ組曲

[6]ビオラの教本


初心者の方は、まず磯先生の「初心者のための やさしいヴィオラ入門」をされることをお勧めします。
基礎練習だけでなく、易しい曲も収められていて、楽しく学習できるよう工夫されています。
3rdポジションまでの部分がこなせたら、アマオケデビューができます。

ビオラ経験者やバイオリン転向組も、アマチュアであれば「やさしいヴィオラ入門」をみっちりやれば十分です。ただ素材数が少なく、とくに左手のためのものが少ないので、練習がマンネリ化してくるかもしれません。

その場合は磯先生の「ビオラ教則本」へ進むか、(2)ジット/ダンクラへ行ってもいいと思います。(2)(4)で紹介している曲をしてもいいでしょう。磯先生の2冊の内容は全然かぶっていませんので、両方買っても損はしません。

易しい素材だとやる気が起きない方は、1冊目に「ビオラ教則本」やジット/ダンクラを選んでもいいです。

(1)磯 良男 先生  2冊の教本

磯良男先生が出されている2冊の教則本は、どちらも1冊で多くの要素を網羅しています。アマチュアのビオラ奏者なら、1冊やり抜くだけで十分、2冊持てば完璧、ほかのビオラ教本は要らないです。

運指にしろ運弓にしろ、シンプルで過不足なく、全パターンを網羅するよう書かれています。網羅されていると、自分の苦手なパターンがわかります。苦手がわかったら、そこに焦点を当てることで、効率的な練習ができます。少ない練習量で上手になる方がいいに決まっています。バイオリンの教本でこれに匹敵するものが見つかりません。

 

①初心者のための やさしいヴィオラ入門

ピアノ伴奏譜付きと、そうでないものがありますので、買うときはご注意ください。ピアノ伴奏費付きを買っておくと、将来なにかと役立つと思います。
紙面の3割は曲で、選曲がいいです。前半はポジション移動なし、後半はポジションを使います。

●開放弦だけの リズム/移弦/スラー
●左の運指、左も加わった移弦/スラー

 初心者さんはビオラという楽器に慣れることができます。経験者さんもスキルアップに使えます。きっちりこなそうと思うと決して易しくはない内容です。
 
●ポジションの要らない曲  10曲
 
●ポジション 2nd~5th、ビブラート
 ポジション移動の練習は、1の指を起点にして展開されています。
 ポジションを固定した練習は、「左指を置く場所を理解しやすいよう」「フォームを整えやすいよう」作られています。これに相当するバイオリン教本がないのが不思議なくらい、優れた内容です。
 
●ポジションの要る曲  13曲

 

②ビオラ教則本

全編シンプルな基礎練習の教本です。左手中心。経験者さん向き。
いずれの章も、まず全体を俯瞰し内容を理解したうえで、自分になにが必要か考えて優先順位をつけましょう。順番にだらだらやっても効果はありません。苦手な指や苦手な弦をピックアップして、集中的にトレーニングする使い方がお勧めです。

弦は常に、第4弦→第3弦→2→1という順番に載っていますが、書かれた通りにさらっていたら第4弦ばかり練習するはめになります。左指も同様。

●基礎練習1
 左指の開き方を、全音と半音を組み合わせたパターンにして、全弦&全指を網羅したシンプルなトレーニングです。このように整理されたバイオリン教本を探していたら、ビオラ教本で見つけました。左1と左2の指の開きが半音から始まる教本は、体のことを考えていないと思います。

●音階練習1
 1stポジションだけの、全弦&全指を使ったスケールとアルペジオ。これに相当するバイオリン教材がないため、手書きで作ったものをバイオリンの生徒にはさせています。
 
●基礎練習2
 基礎練習1を展開させたもの。様々な運指を、様々なスラー&リズムでやります。
 
●ポジション移動
 1指を使う移動→2指を使う移動→3→4という順番に載っていますが、必ずしも順番通りがいいとは限りません。自分はどのパターンから攻略するといいのか、考えましょう。

 2度の移動→3度の移動→4→5という順に載っていますが、ポジション移動の練習はやはり3度から慣れていくのがベター。

 3度の移動は、この章のなかで最も役立つ教材です。

 短音階(短調)が、長調とページが分けられているのは、上りが旋律的短音階、下りが自然短音階であることに慣れるためと思われます。上りと下りで「移動ラ」と「移動シ」の音程が半音違います。
 
●音階練習2
 2オクターブ。バイオリンのスケール教本と同じものが登場。

●音階練習3
 ポジション固定で4弦使うスケール。フィンガリングは同じで、半音づつ上がっていくだけです。

●音階練習4
 3オクターブ

●重音の音階練習法
 3オクターブの「音階練習4」はパスしても、ここはやっておきましょう。この程度の重音は、オケの曲にも出てきます。

●音階練習5~8
 重音のスケールです。

(2)ジットとダンクラ、ほか

ここで紹介している教材は、いずれも経験者さん向きです。

①SITT
ハンス・ジットというバイオリニストが、ビオラのための教本を出しています。

●Practical Viola Method for Easy up to the Medium Level(実践的ビオラ教本 for 初級~中級)

●Bratschen Schule(ビオラスクール)
 スケールから始まり、後半は室内楽曲におけるビオラパートのメロディなどが抜粋されています。

②DANCLA
シャルル・ダンクラというバイオリニストも、何冊かビオラ教本を著しています。

●Easy School of Melody
 我が家にはこの教本があります。ピアノ伴奏もついた易しい曲集です。

●15 Etuden Op.68(練習曲)
●20 Etudes Brillantes Op.73(華麗なる練習曲)
●School of Mechanism Op.74(技術的練習曲)

③テレマンの協奏曲ト長調、グラズノフのエレジー なども、基礎を構築するのに良い教材です。
 我が家には、コレッリの Selected Etudes という謎の教材もあります。

(3)STAINER & BELL 社 の教本

STAINER & BELL 社から出版されているビオラ教本が、2シリーズあります。薄いのですが値段は高め。私が使うのは Emil Kreuz の1巻だけです。

①VIOLA SCHOOL OF PROGRESSIVE by Adam Carse
シンプルで平易な基礎練習のための本です。

BOOK1.  Preliminary Exercises(準備練習)
BOOK2.  First Position
BOOK3.  Half, First and Second Position
BOOK4.  First to Third Position
BOOK5.  First to Fifth Position


②SELECT STUDIES for THE VIOLA by Emil Kreuz
バイオリン教本でいえばホーマンに似ているエチュード集です。スケール的な素材や、先生が2ndパートを弾く二重奏もあります。1巻は易しいのですが、2巻以降は少し難しくなります。

基礎練習をして欲しいけど、磯先生の ”いかにも基礎練習” という見た目に抵抗がある生徒さんに、1巻を使います。基礎練習をすると上手くなって楽しい、ということに目覚めてくれたら、磯先生の本などをやります。

BOOK1.
BOOK2.  First Position
BOOK3.  First to Third Position
BOOK4.  Fourth and Fifth Positions

(4)バイオリン/チェロの教本

①バイオリン教本

「スズキ」「カイザー」「クロイツェル」「セヴシック」「カールフレッシュ」などなど、有名どころのバイオリン教則本は、ビオラのハ音記号に直したものが出版されています。バイオリンとビオラは、原理が同じで大きさが違う楽器なので、これらの教本も使い方次第です。

バイオリンはA線とE線(第2弦と第1弦)から学びます。ビオラも独奏曲は高音域の技術がいりますが、オーケストラや室内楽で内声を担うことが多い楽器ですから、出現頻度から考えると第3弦が基本となります。
最初からビオラのために編纂された教本は、こうしたビオラの特性を考えて作られています。
知っているから/聞いたことがあるからとバイオリン教則本のビオラ版を安易に選ぶのではなく、ビオラを学びたいならビオラ教則本から選ぶことをまず考えましょう。

②バッハの無伴奏チェロ組曲

ビオラとチェロはオクターブ違いの楽器なので、チェロのために書かれた楽譜はビオラで弾けます。逆もまたしかり。
曲をしっかり研究したいばあい、ホフマイスター社の上下巻に分かれている楽譜がお勧め。まるでピアノの右手と左手のように、ハ音記号とヘ音記号がペアで記されています。ハ音記号のほうは現代風のスラーが、ヘ音記号のほうはバッハの直筆譜から拾った怪しい情報が書かれています。

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