中川恵バイオリン・ビオラ教室

草は 抜かないほうが いいこともある

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草は 抜かないほうが いいこともある

草は 抜かないほうが いいこともある

2021/02/15

大阪市内から京都府京田辺市へ引っ越して初めての初夏、2009年の話です。
日差しのきつい5月、たいして邪魔でもない庭の草を、抜いていました。
抜いてからしばらくたった所の土を見ると、白くぱさぱさになっています。
草を抜く瞬間は、黒くほこほこしてたのに。

 

このとき私のなかで、1片の既成概念が崩れました。

 

草は、抜かないほうが、いいこともある。

 

NHKプロフェッショナルで、「奇跡のリンゴ」の木村秋則さんが出演されたのが2006年。
そのすぐあと同番組で、有機肥料たっぷりの農家さんが取り上げられ、ガッカリしたことを覚えています。
当時すでに、自然農法と有機農法の違いを理解していたことになります。
にもかかわらず、3年たっても私は草取りをしていた。
この年の2月には、地中の虫や菌を殺すための天地返しもしています。
土壌微生物を減らしてしまった土に、あとから悔やむことになります。

 

既成概念とは、社会通念とは、なんと強固なんでしょう。

 

 

奈良で田んぼを借りていたときのこと。田んぼの雑草にイナゴがとまっていました。きれいに草刈りしたあと、イナゴは稲に移動していました。それを見て青ざめました。もしかして私は、イナゴの食べ物を刈ってしまったのでは。。

 

仲間の太平さんに疑問をぶつけると、”うん、だって、雑草のほうが柔らかくて美味しいもの。”
ガ~~ン!

 

秋になり、雑草のない私の田んぼより、お向かいの雑草だらけの田んぼのほうが、たわわに実っていました。

 

天日干しをするときも、雑草が混じっているほうがヒモが締めやすく、しっかりした稲束になります。
稲だけだとツルツルすべるのです。

 

 

 

自然農法を、肥料という切り口で説明すると、

 

慣行農法:化学肥料をたっぷりあげる
有機農法:有機肥料をたっぷりあげる
自然農法:肥料はできるだけ控える

 

人により肥料のやり方は様々で、クリアに線引きできないのですが。

岡山県ワッカファームは、有機農法でやっているうちに、肥料は少なめのほうが野菜が健康に育つと気づき、そうとは知らず自然農法になって行ったそうです。

かと思えば、自然農法を標榜しながら、せっせと有機肥料をやっている人もいます。

 

肥料をあげるほど虫や菌が来やすくなり、防御(農薬)が要ります。

肥料を控えた作物は、とにかく美味しいです。
慣行農法の作物を食べなれていると、最初はその美味しさがわかりません。
しかし肥料控えめ作物を食べていると、肥料分の多い作物は、体が口に入れるのをイヤがるようになりました。

 

肥料分が多いと、窒素過多になります。
作物は窒素を消費しようと、枝葉を大きく茂らせます。
収穫物も大きくなり、緑が濃くなります。
植物は、取り込んだ窒素をアミノ酸などに変えて利用するのですが、過剰な窒素はそのまま蓄めています。
これは過栄養で、健康な状態ではありません。
人がこれを食べすぎると、チアノーゼ(酸素欠乏症)を起こします。
海外では乳幼児の死亡事故も起きています。

作物に含まれる窒素の濃度を、恒常的に測っている自治体もあります。

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