中川恵バイオリン・ビオラ教室

ロングトーンを制するものは・・

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ロングトーンを制するものは・・

ロングトーンを制するものは・・

2019/07/10

ロングトーンを制する者は、全ての弓使いを制す、です。
飛ばし系も例外ではありません。
スピッカートが上手になりたい場合、スピッカートそのものを練習してもあまり上手になりません。
ロングトーンで身体の使い方を再構築すると、あらゆる弓使いが本質的に上手になります。

 

まずはメトロノーム60で4拍。
弓を4分割して印を貼り、速度が一定か確認しながら弾きます。
印は、見つめると首がねじれた状態で固定され、フォームが崩れるので、ちら見します。
6拍、8拍、と伸ばして行きます。

 

 

弓の端から端まで、同じ音量・音質・速度・角度で弾きます。

全ての通過点において、無理・無駄のない骨格・筋肉の使い方になるようにします。

弓先はティップに乗り上げてしまうところまで行かせて、乗り上げる直前を、弓元はフロッグの金具に当たるところまで行かせて、金具に当たる直前を、身体に覚えさせます。
1人で練習する場合は鏡が必須です。

 

 

左指のフォームを整える順番は真ん中の2本から、と書きましたが、右もフォームを整えるなら真ん中の2弦からです。

バイオリンの初心者向け教本は、上の2弦からスタートするのですが、それは、

 

●子供の聴きとりやすい音域である。

(年齢とともに聴きとりやすい音域は下がる。)

 

●弓で引っかいて音を出しやすい。

特に分数バイオリンの場合、低い弦は音が出にくい。

 

●A線の0がドになるAdur(イ長調)の左指が置きやすい。

1と2の指の開きが、全音で4弦とも同じ位置になる。

 

といった理由からだと思います。

でもE線(とG線)は、まんなかの2弦(A線とD線)に比べると、弾くときの角度が難しいです。

運弓の基礎練習は、A線D線から始めて、E線G線に広げると良いでしょう。

 

 

 

あまりに頑張りすぎて、バイオリンを弾くのが嫌いになっちゃうと本末転倒です。
どう自分のご機嫌をとったら練習が続けられるのか、研究しましょう。
自分を一番良く知っているのは、自分です。

 

私の場合、今日は調子が悪い・・と思ったら、スパッと止めます。
そんな日が何日も続いて、焦ることもあります。
今日は調子がいい、と思ったら、たくさん練習します。
身体がねじれている、左右の統一感がない、と思ったら、メインブレーカーを切って炊事をしたり昼寝をしたり(睡眠は素晴らしい整体になります)、ちょいと出かけて日差しや風に触れたりします。

 

 

 

バイオリンを習い始めて1年間、解放弦のロングトーンしかしていない、という大人の生徒さんにお会いしたことがあります。しかしそれでモチベーションが保てる方は少数派だと思います。
易しい曲・好きな曲を並行してやることで、地道な基礎練習も頑張ろう! という気持ちが維持しやすいと考えています。

 

本当は先生的には、悪いフォームで弾くということは、悪いフォームを身に付けるために練習していることになるので、悪いフォームでどんどん曲を弾いて欲しくはないのです。
でも、音楽って、バイオリン・ビオラって、楽しいから、楽しいはずだから、したいと思うんですよね。

 

基礎練習に取り組むのが楽しい生徒さんは基礎練習を中心にやったらいいし(そういう生徒さんも実際おられます)、曲が弾きたい生徒さんは曲を弾きつつ基礎練習も少しする、という進め方をします。

生徒さんの技量に合わなくても、やりたい曲を無下に却下することはありません。

 

そしてもうひとつ先生的には、曲だけのレッスンって楽なんです。

フォーム改善に取り組むレッスンは、洞察力と集中力が必要です。

前述の、1年経っても生徒さんに解放弦しかさせていない先生は、真摯な方なんだと思います。

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