日常生活の中で できる練習
2020/05/05

1日30分練習したとしても、1日のなかのたった2%です。
98%の時間を背中をまるめて過ごして、楽器を弾くときだけ背筋をしゃんと伸ばしても、その演奏フォームは定着するでしょうか? 楽器を弾いていない時間の過ごし方でちょっとでも上達するなら、こんなおいしい?話はありません。しかも追加の時間はいりません。お金もいりません。
レッスンではひとりひとりこと細かに、その人に合った身体の使い方や練習方法についてお伝えしていますが、ここでは誰もが取り入れることができる日常生活で私がやっていることを、ご紹介したいと思います。
アレクサンダーテニクニークをベースとした、ちょっと難しいことも書いています。
身体がよく動くほど、楽器は上手に弾けます。
朝、布団の中で目が覚めたとき、
身体のどこかで余計な力を入れているところがないか探してみる。抜いてみる。
ただ立っているだけの時、ただ座っているだけの時、
身体のどこかで余計な力を入れているところがないか探してみる。抜いてみる。
探してみる、とか、抜いてみる、とか、意外と難しい。
頑張ろうとしすぎるとイラッとしたりもする。
そんなときは見るだけ。自分の身体を見にいくだけ。
電車を待っている、など、ちょっとヒマなとき、
身体の消えている、そこにあることを感じなくなってしまっている部位を発見してみる。
後頭部とか、臀部とか、膝下とか、無くなってしまっていませんか?
手洗いは、自分の手を確認する時間。
右手で左手を、左手で右手を。
手首、親指の付け根、4本の指の間の水搔き、薬指と小指の第3関節。
声を出す。声に出して歌う。声に出して笑う。
鉛筆は、お箸は、ふわっと持つ。
夢中で食べていると、ムギュッ!になっちゃいます。
お椀を持つ左手は、美しい女優さんのように。
ドレッシングは左で振る。
左でかけるとドバっと出てしまうので、それは右。
馴れてしまうと、考えなくても身体がそう動く。
歯を磨いているとき、電話でしゃべっているとき、
脚を片足づつ上げてストレッチ。
バイオリンも爪先立ちや片足立ちで弾く。
靴下は立って履く。
筋肉を使わないで、バランスで履く。
立っているとき、歩いているとき、
膝は外側の上に向ける。
お湯をわかすときの鉄瓶は左手。
水を運ぶのは左手。
ピッチャー、じょうろ、スプレー、ペットボトル。
スプレーでシュッシュッ!は左手の筋トレタイム。
パンをこねる。
麹の塩切り。味噌の大豆をつぶす。樽に詰める。
奈良漬けの床を練る。
洗濯物は手で洗い、手でしぼり、手ですすぐ。
洗濯槽につっこむのは左手。
脱水にかけた洗濯物を引っぱり出したり、シーツなど大物を洗濯機で洗うときに。
洗濯バサミは左手、人差し指以外を使う。
習慣になってしまえば、洗濯バサミにむかって勝手に左手が伸びる。
中指&薬指、薬指&小指のあたりを使おう!という曖昧な意識でやるとやりやすいです。
給湯器のボタン、洗濯機のボタン、人差し指以外で。
馴れれば、考えなくても使わなくなる。
浴槽やシンクなど、こするときは左手で。
イラッとしてきたら右手に交代。
雑巾しぼりは、同じ方向ばかりしない。
携帯のキーは左で打つ。
マウスの右クリックは薬指、スクロールは中指。
またはマウスは左手で操作する。右クリックは中指、スクロールは薬指。
ブラインドタッチによる文字入力以外は、人差し指以外を使う。
自転車のブレーキは、左手を中心に使う。
漕いでないとき、降ろしている脚はいつも同じにしない。
階段が見当たらなくても、階段をさがす。
1段飛ばしで上る。(無理しない)
スカートだってへっちゃら。(周りに人がいないとき限定)
トイレはわざわざ和式に入る。
何もないところで、意味ありげにしゃがむ。
(意味なくしゃがむと変)
何もないところで、意味ありげに振り向く。
(首の可動域を高める)
肩甲骨を意識して動かす。
歩き方のかっこいい人、立ち姿の美しい人を見かけたら、真似してみる。その人になったつもり。