中川恵バイオリン・ビオラ教室
お問い合わせはこちら

菌のはなし

菌のはなし

2020/07/19

梅雨前に仕込んだ梅ジュース・梅干し容器のなかで、微生物たちが活躍しています。
2月の引っ越し後 いそいで仕込んだ味噌樽は、フタをあけてのぞいたら麹菌がもこもこに! ひえ~と叫びながら取りのぞいて、天地がえしをし、濃い塩水でかたく絞った布巾をかけ、ラップしました。

味噌作りやパン作りをすると、バイオリン向きのてのひらになります。

 

最近いくつかビデオを撮りまして( 2020.05.232020.07.17 に掲載しています )、右てのひらが鍛錬不足との気付きがありました。軌道修正してみると、弓を引く感覚が良くなりました。この気付きをブラッシュアップして定着させるには、少し身体を鍛える必要があり、いくばくかの年月がかかりそうです。

 

パンは、南部小麦と、干柿酵母と、海塩で作ります。中力粉なので ふわふわにはなりませんが、飽きない味です。
発酵食品を作るときは、素手のほうが美味しくできます。てのひらに生息している常在菌が、酵母菌とかけあわさって、味わいが増すからです。もちろん不衛生な手はダメ。水洗いできれいにした手が良いのです。消毒では、皮膚についた菌を殺し過ぎてしまいます。

 

皮膚には、多種多様な常在菌が生息しています。「あなたの身体は9割が細菌」という本があるくらいです。「キズ・ヤケドは消毒してはいけない」という本もいいですよ。

 

パン酵母で「白神こだま酵母」という商品があります。天然から採取していますが、単一菌だそうです。また単一菌を取り出すのに、合成化学物質を使っているとのこと。
そう知ったとき、腑に落ちました。ホシノ天然酵母や、ドイツの有機穀物で作った天然酵母の方が、自然な感じがしたからです。

 

 

腸内細菌は、善玉菌2割・悪玉菌2割に日和見菌6割だけど、善玉菌が優位に立ってると 日和見菌も善玉菌のように働く、という話を聞いたことはありませんか?

 

皮膚の常在菌も同じです。

常在菌のなかで善玉菌が優位に立っていると、外から侵入する病原菌を防いでくれます。
実際、皮膚は腸壁・内臓壁とつながっています。人間の体の構造は、「うきわ」のようなものなのです。

 

私は、土やヘナをさわって爪を黒くするので、手を洗うのに石けんは必須です。
アレッポの石けんなど、市販のものを試していた頃は、手荒れが絶えませんでしたが、友人が作った石けんにしてから荒れなくなりました。彼女自身、肌の弱さに悩まされて、自作し出したものです。

 

身体や髪は、水や湯で流すのと、物理的ゴシゴシです。
常在菌は、皮脂の分解もしてくれます。

気がつけば、ゴシゴシは要らなくなってきています。
髪は、頭皮をマッサージしながらぬるま湯で洗ったあと、木酢液または竹酢液でリンスしてから流すと、すっきりします。

 

大阪の心斎橋でひらかれている「ぐりぐりマルシェ」で、「松の力」という洗剤を売っていた女性からこんな話を聞きました。
OL時代、毎日白いシャツに襟ジミがまっ黒だった。自分が汚いのかと思って、お風呂のとき石けんで体をごしごし洗っていた。OLをやめて白いシャツは着なくなったので、体を洗うのはお湯をかけるだけにしたら、襟ジミがなくなった。

 

 

どんな種類の常在菌を持っているかは、ひとりひとり違います。母体、生活環境、育った地域から引き継ぐためです。

 

赤ちゃんは生まれるとき、お母さんの膣内の菌を 自分の皮膚にこすりつけながら出てきます。
分娩のとき母体が便意をもよおすのも、便のなかの菌を赤ちゃんに引き継ぐための自然の摂理です。
便の固形分の1/3は、腸内細菌ですから。

帝王切開となったため、便を事前に取っておいて、産まれたての赤ちゃんにこすりつけるよう病院側に頼んだ方も、いるそうです。

 

おぎゃーと生まれるとき母親からもらったあとは、周囲の人やモノと接触することによって、その人固有の菌分布を作っていきます。

 

赤ちゃんは虫歯菌を持っていないので、虫歯菌を持っている大人がほおずりしてはいけない、と言います。歯に関する悩みが多い私も、虫歯菌をもらわず、あげず、生きれたら良かったなと思いますが、そもそも菌は単一に存在することはありません。

 

善い菌と悪い菌を(完全に)選りわけることはできないし、腸内の日和見菌のように 周囲の状況で善悪は変わるし、単一の菌だけをとりあげて一喜一憂しないでおこうと思います。
農作物における虫も 同じだと思います。

 

 

近年アレルギー疾患が増えたのは、体から寄生虫がいなくなったから、身辺から菌がいなくなりすぎたから、という説があります。免疫機能が、攻撃する寄生虫や菌がいなくなったので、自分自身を攻撃してしまう、ということです。

 

寄生虫は、アレルギー抑制物質を出しているそうで、そのエキスを投与したり、回虫を身体にもどす治療法もあるようです。肥満も、腸内細菌etcが関係する現代病と言われますが、20世紀最高と称されるソプラノ歌手マリア・カラスは、痩せるためにサナダムシを感染させていたそうです。

 

寄生虫 説は、間違ってはないが、アレルギー疾患の主要因ではない、と言うお医者さんもいます。

 人類が寄生虫の駆除をしてきたのは、寄生虫によって引き起こされる深刻な疾病があったからです。寄生虫がいなくなったことにより、現代病が増えたからといって、寄生虫を戻すという単純な発想にもなれません。

 

 

「菌」とひとくくりにしましたが、菌には「真菌」「細菌」「ウイルス」などがあります。真菌→細菌とサイズが小さくなり、だんだん作りが単純になります。ウイルスが一番小さく、人間など宿主のなかでしか生きられません。

 

細菌は、人間に役立つものでは乳酸菌がそうです。こわいものでいうと、大腸菌やサルモネラ菌など。私たちがよく知っている病原菌はたいてい細菌です。

 

酵母菌や麹菌、カビや白癬菌は真菌だそうです。キノコもそうだし、真菌になると目に見えるものになってきますね。真菌の次に大きな生き物は、「原虫」「寄生虫」だそうです。まあ人の決めたカテゴライズなので、技術の進歩とともに分類の仕方も変わったりします。

 

いま「悪い奴」とされているピロリ菌も、40年前に発見されたてほやほやです。何十年かたったら「良い奴」とされているかもしれません。
新型コロナウイルスが発見されたのも、科学技術が進歩したからで、何十年か前であれば ”今年のインフルエンザはきついな~” って話で終わってたかもしれません。

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。