指の関節の角度について
2021/01/14
左手も右手も基本的に同じです。
●親指
第一関節は伸ばす
第二関節は曲げる
●親指以外の4本の指
第一関節は伸ばす
第二関節は曲げる
第三関節は伸ばす
4本の指によく見られるのが、第三関節が角ばっていて、第一関節と第二関節が伸びている状態です。とくに弓を持っている右手の第一関節と第二関節は、突っぱってると言っていいでしょう。
バイオリンやビオラの習い始めたては、最初この形になる生徒が多いです。日常生活で指先や身体全体をよく使っている人はなりにくいです。しかしどなたも、コツコツ数年かけて取り組んでいると、変わってきます。
上体が妙に、片側へねじれている生徒さんがおられました。問診をかさね、台所で洗いものをするとき、腰の片側だけシンクの縁にもたれていることが分かりました。それを止めたら、あっという間にねじれは無くなりました。
♫ここからは左のお話しです。
左指を指板の上に置くときは、第二関節から折り曲げて、指の腹を置くようイメージします。手前の弦に触って構いません。これは、空中、右手や右腕の上、机の上などでも練習できます。
第一関節はいずれも鈍角に。左指を指板のに置くとき第一関節が突っぱってしまうのは、一般的に良くないと考えられていますが、深山尚久先生は「角ばる(鋭角になる)より突っぱる方がマシ」と言われました。修正の過程においては、という含みもあったかもしれません。
親指のフォームは、5本のなかで最も重要です。
第二関節は、曲げるというより、出っぱらせる必要があります。すべての指のすべての関節のなかで、親指の第二関節が最重要です。
あかん、私の親指の第二関節、出てへんわ、とガッカリするなかれ。体調が最悪だった時へっこんでいた私ですが、現在しっかり出ています。直したのです。フツー直らんわなあ・・と私自身も思っていました。人の体の可逆性はすごいです。
親指の2つの関節は、運指のさなかは大きく動いているのがいいです。うにょうにょ。じったんばったん。
第二関節も度々へこみます。ハイポジションの時はしょっちゅうその必要性が出てきますし、大柄な人ほどへこんでいることが多いようです。ただホームは「でっぱってること」です。
親指の第一関節は、内側がネックとの接点にあたります。ホームは「真っすぐだけど突っぱっていない」ですが、運指のさなかは突っ張ったり曲がったりします。
♫さて、右のお話しです。
4本の指は、第二関節をふんわり曲げるようにイメージしましょう。初めて持ったときは一般的に第三関節が曲がりすぎるので、すこし水平にするイメージを持ちましょう。右手で左腕をつかんで、形をととのえる練習をすることもできます。
親指のフォーム、とくに第二関節が最重要なのは、左と同じです。形も同じで角ばらせます。
親指の第一関節は人によりいろいろ、局面によりいろいろですが、突っぱっているより角ばっているほうがいいと思います。第一関節は第二関節より直しやすく、修正する威力は驚くほどです。
右指で大切なのは「体幹と手が 腕でつながっている感」があることです。つながっている感があれば、普通と違う持ち方でもいいと思います。けったいな持ち方をしたプレイヤーは沢山います。
ハイフェッツの右指は、初めて弓を持った現代人のそれに似ています。しかし関節の角度は固まってはおらず、局面に応じてしなやかに動きます。