中川恵バイオリン・ビオラ教室

バイオリンを弾く体の動きは、手首から理解すると分かりやすいです。

お問い合わせはこちら

手首のフォーム はじめの一歩

手首のフォーム はじめの一歩

2021/05/26

初めてバイオリン・ビオラを構えたとき、左のフォームで一番最初に覚えてもらいたいのが、左手首の角度です。

 

手首はまっすぐ。へこんでも、出っ張っても、いけません。肘からてのひらの真ん中まで、1本芯が通るようにしてください。

 

左手首は、楽器に隠れて、ダイレクトに自分の眼で見ることができません。鏡に映すなどして確認しましょう。

 

手首の型は、指の使い方と切り離せない関係にあります。
手首の型が良くなれば、指の使い方も良くなります。
その逆もあります。
手首の角度がなかなか良くならない場合、指の使い方とセットで学ぶと、改善しやすいです。

 

また、肩や胸の状態とも、密接な関りがあります。

 

 

左手首がへこんでしまう場合、左手と楽器のくっつくところに何か物体を入れます。レッスンでは先生が指を入れて、家では消しゴムやコルク、ポストイットなどを挟んでいただきます。親指の第二関節の裏になにか入れると、効果的なことが多いです。

 

子供のばあい、出っ張ることはほぼありません。大抵へこみます。
レッスンでは先生が指を入れますが、家では保護者さんに指を入れていただきます。じきに真っすぐになってきます。

 

私が子供のころは、小鳥さんを入れる、とか、卵をこわさない、とか言われました。

 

大人の生徒さんは、へこむより出っ張ることが多いようです。レッスンでは先生がやんわりと手首や左肩を押します。家では鏡を使うといいです。意識や念を使って、見えずとも真っ直ぐにできるよう練習します。胸郭や体幹を抜本的に直していくのも有効です。

 

 

 

右のフォームで一番最初に覚えてもらいたいのが、手の甲の傾きです。

 

弓を持たされて無意識に握ると、手の甲が外側へ向きます。この形だと、弓を端から端まで真っすぐ動かすことができません。

手の甲を内側(自分側)へ向けると、弓の端から端までストレートに弾くことができます。

 

私は子供のとき、手の甲に、水を入れたコップが乗るように、と言われました。実際にはそんな角度にはなりませんが、とっかかりのイメージにはなります。私の右手の動きをジッと見ていた生徒さんが、「手の甲の上になにか置けそう」と言いました。観察力のある方です。

 

弓の動かし方について、最初は「手首を山にする、谷にする」と教えますが、動かし方の質を上げる段階に入ったら「左手首は受動的な関節」ということを覚えてもらいます。

 

小さな子のばあい、弓をたくさん使わせます。弓の竿に、目印となるシールを貼って、そこまで使うよう指示します。するとたいていの子は、弾いているうちに、手の甲の向きが内側にひっくり返ります。弦と弓の角度も90度で、端から端までまっすぐ弾くようになるので、ホント羨ましいです。

 

若い頃は何も考えなくてまっすぐになっていたハズが、歳を取ると体幹が衰え、気づかぬ間にまっすぐで なくなってきます。頭で原因と対処法を考えなければなりません。

 

フィギュアスケートの高橋大輔が、昔は何も考えずにジャンプを飛んでいたが、今は頭で考えて飛んでいる、とある時言っていました。私と一緒にしたらオコラレそうですが、深くうなずいてしまいました。

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。