中川恵バイオリン・ビオラ教室

分数バイオリンのサイズ選び

お問い合わせはこちら

分数バイオリンのサイズ選び

分数バイオリンのサイズ選び

2022/03/15

■「身長」による分数バイオリンのサイズ選び

 

分数バイオリンのサイズ選びは、判断の目安として「身長」がよく使われます。

スズキバイオリンが出している対比表が有名です。

 

1/8 110~115cm

1/4 115~125cm

1/2 125~130cm

3/4 130~145cm

4/4 145cm~

 

これは昭和の前半に作られた表なので、いまの子供たちの体格を考えると、そのまま当てはめない方がよいと思います。この表より少し小さめが、持ちやすい分数バイオリンのサイズになると考えましょう。

 

私は身長だとあまりピンと来ないので、年齢と生まれ月をお伺いして貸し出しサイズを選び、お会いしたときは体格や身体感覚を見ます。(「身長」より「年齢」で判断するほうがよい、ということではありません。)



■「年齢」による分数バイオリンのサイズ選び

 

私のバイオリン教室で、年齢をお伺いして用意する分数バイオリンのサイズは、おおむね以下の感じです。

2020年度 学校保健統計調査による平均身長データも併記してみました。

 

5歳 111cm 1/10~1/8
6歳 117cm 1/8
7歳 123cm 1/4
8歳 129cm 1/4

 

女子
9歳 135cm 1/2
10歳 142cm 1/2~3/4
11歳 148cm 3/4
12歳 153cm 4/4
13歳 155cm

14歳 157cm

 

男子
9歳 135cm 1/4~1/2
10歳 140cm 1/2
11歳 147cm 1/2~3/4
12歳 154cm 3/4
13歳 161cm 4/4

14歳 166cm

 

8歳までの身長データは、男子と女子の身長差が1cm未満でしたので、その間の値を取りました。

 

12歳までは男子も女子も身長がほぼ同じなのに、女子のサイズアップのほうが早いのは、男子は体格が完成する年齢が遅いからです。最終的に到達する体の大きさを考えて、サイズアップしてゆきます。


小柄な大人は、1stポジションを弾くとき、左肘の角度が90度より鈍角になります。成人女子は平均的に90度くらいで、大柄な大人は90度より鋭角になります。

小柄な大人と大柄な大人では、左肘の角度は、1stポジションと3rdポジションほど違います。指を動かすときの感覚も違い、適したフォームも変わってきます。

 

 

■最も大切なのは本人の感覚

 

より重視するのは、本人の感覚です。


「この子はジャストサイズではなく、ワンサイズ大きなバイオリンを持たせても大丈夫」と先生が判断しても、「ワンサイズ上は持てない!」と子供が主張することもあります。


逆の事例もありました。保護者さんが3/4サイズをなかなか買ってくれない子供に、フルサイズを持たせてみたら、でかいことはでかいけれど弾けなくはなく、本人もケロリとしていたことがありました。

彼女は中学受験で、その時期バイオリンを触ることが少なく、また塾代にもお金がかかることから、3/4を飛ばしてフルサイズを買いました。

 

なかなか単純に、身長が何cmだから何サイズ、何歳だから何サイズ、とは行きません。

公開レッスンやコンクールで、ほかの教室の子供たちが どれくらいのサイズのバイオリンを持っているか見ていると、先生により様々だなぁと感じます。


バイオリンはサイズが大きくなればなるほど良く鳴るため、少し無理をしても早くサイズアップしたくなります。しかしきちんと指導されていると感じる子供たちが弾いているバイオリンは、意外にサイズが小さい。そして小さくともコンディションの良いものを持っています。7万円台のセットバイオリンでも、探せば質の良いものがあります。

 


■サイズアップのタイミング

 

「弓の長さが足りなくなってきた」と感じるときに、サイズアップを提案することが多いです。

「左肘の角度がきつすぎる」と感じたり「1stポジションの左手が向こうへ行きたがる」場合も、替え時です。


弓と本体と同時に切り替えず、弓だけ先に交換し、本体は遅れて交換することもあります。発表会が終わったら辞める予定だった子供は、保護者さんと相談して、弓だけ1サイズ上を買ったこともあります。

 

いま使っているバイオリンが良いものでない場合、早めのサイズアップを提案することもあります。

 

発表会とのタイミングも考えます。発表会のためにサイズアップすることもあれば、発表会が終わったご褒美にすることもあります。保護者さんサイドも、おばあちゃんからの誕生日プレゼントにしたい、とか、何かの合格祝いにしたいなど思惑があるので、そこは相談します。

 

 

■分数バイオリンの買い方

 

廉価な分数バイオリン、調整不足の分数バイオリンは、本当に弾きにくいものです。
先生はときどき、生徒のバイオリンを取り上げてお手本を示すために弾きますが、よくこれで音出してるね~と感じる楽器もあります。子供の順応力はすごいです。

 

子供にバイオリンを続けてもらうのに、楽器の良し悪しだけが大事ではありませんが、できるだけ良いものを用意してあげてください。どうすれば、それなりの値段でそれなりの分数バイオリンを手に入れることができるのか、情報収集して勉強しましょう。

 

「分数バイオリン」タグ 

「バイオリンどこで買う」タグ

 

バイオリン教室には、生徒さんの楽器の買い方を指定する先生、まったく自由な先生、いろいろあります。
京都市内でバイオリン教室をしている友人は「ノータッチ。責任持てないから」とのこと。
生徒のバイオリンを、先生が選んでしまう教室もあります。ホテルのラウンジ演奏で一緒になった京都の音大生は、「このバイオリン、先生に決められたんですよ~。逆らったら恐いんでー」と苦笑いしていました。

 

私の教室では、相談に乗る/情報提供する/店舗を紹介する/などのお手伝いをしていますが、強制はしていません。どこでどんなバイオリンを手に入れてきても、それに合わせてレッスンします。

 

楽器店で分数バイオリンを買うとき、サイズ選びの相談は店員さんに乗ってもらうことが多いと思います。色んな楽器を扱っている楽器店でも、バイオリンが弾ける店員さんがいることがあります。事前予約をして、そうした店員さんに応対してもらいましょう。

 

予約をお勧めしても、予約しないで楽器店へ行かれる生徒さんが結構おられます。「予約することで、買ってくれそうなお客さんと思われると、気に入るものがなかったときに断りにくい」という気持ちもよくわかります。(実は私もそういうタイプの人間です。)

しかし予約しておけば、知識のある店員さんが時間を空けていてくれますし、万が一?気に入ってしまったら即日持ち帰れる準備もしておいてもらえます。

 

またバイオリン教室が併設されているなら、体験レッスンを申し込んで、レッスン時間を使って先生に購入相談してもいいかも。いい先生との出会いがあるかもしれません。

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。