中川恵バイオリン・ビオラ教室

バンクシーという画家

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バンクシーという画家

バンクシーという画家

2022/09/16

花束を投げる男。この画を初めて見たとき、うらやましかった。この画が伝えたいことは明白だ。
音楽ではダイレクトなメッセージは送れない。ショスタコーヴィチの交響曲第5番は、「カルメン」からの引用が共産党体制へのNOの意思表示だとの説があるが、そんなん聴くだけではわからない。。

 

バンクシーの画は、イスラエルがパレスチナを追いこんでいる分離壁のあちこちに描かれている。バンクシーが画を描くことによって、画を見に来ようとする観光客まで増えたそうだ。なんという影響力。

 


イスラエル・パレスチナ間の空爆やテロを、マスコミはあまり取り上げない。巷の話題に上らない。日本が、米国サイド(イスラエル側)についているからだと思う。

 

イスラエルとパレスチナの争いは、第一次世界大戦中イギリスが、パレスチナでのユダヤ人国家建設を認める(バルフォア宣言)一方、アラブ人にもパレスチナでの独立を約束した(フセイン・マクマホン協定)ことから始まった。

 

当時 植民地支配は西欧諸国みんながしていることで、自国の利益のためだった。罪の意識は薄かったのだろう。
しかし密命を帯びてアラブ人をだました「アラビアのロレンス」は、生涯自分のしたことに苦しんだそうだ。

その後の国連の不作為、アメリカの思惑などにより、紛争は泥沼化する。

 

生涯ただの一度も悪事を働いていない人はいない。私もしている。悪事はどうすれば許されるのだろう?
悪いことした。本人がそう思うかどうか。少なくとも私は、相手がそう思ったら、もう怒れない。

 

若かりしころ、韓国の従軍慰安婦が謝罪を求めているニュース映像が流れたとき、隣に座っていた人がこう言った。

「いつまでもしつこいねえ。お金払ったやん」

私は座布団ごと飛びあがるくらいビックリした。もし自分が慰安婦として連行されても、賠償金がもらえたら許すのだろうか。

 

難しいのは、悪いことをしたと思っていない相手を許すことだ。「許す」ことは、自分の心の平和のためにするのであって、相手の気持ちとは関係がない。ということに初めて気づいたときの衝撃は、大きかった。

 

 


1989年に崩壊した東西ドイツの分離壁はよく知られている。高さは3.6m、長さは155km。

 

民衆の平和的なデモによって壁が崩れた夜、旧東ドイツの物理学者だったメルケルはその場にいあわせ、政治家へ転身するきっかけとなる。プーチンもKGBの責任者として、西側の手にわたると困る書類をせっせと焼いていたらしい。と、図書館の本で読んだあと、報道番組でも観た。因縁の2人。

 

アンゲラ・メルケルのアンゲラは、天使のドイツ式発音かな? と思い調べてみたら、語源はやはりそうらしい。天使と聞いて私が連想するのは、三原順のマンガ「はみだしっ子」と、バンクシーの画だ。高さ8m、総延長700kmの壁を、左右からこじあけようとしている2人の天使の画。

 

ほかに、風船を持って浮きあがろうとしている少女の画、銃口を向けられた防弾チョッキを着ているハトの画などがある。バンクシー自身も描いているとき、警備兵の銃口が向けられることがあるそうだ。

 


ロシアがウクライナへ侵攻したとき、まさかそんなことはするまいと思っていた世界は、びっくりした。ロシア政治の専門家たちは、プーチンの感情を計算に入れていなかった、ロシアはもっと合理的に行動すると思っていた、と言う。

 

真の手助けとは、兵器や資金を供与することではなく、和平の仲介だと思う。アンゲラ・メルケルがいたら、そうしたのではないか。私はプーチンが、中国のオリンピックだけでなく、メルケルの退陣も待っていたように思う。

 

税金など民の資金で軍需産業が儲かり、地球は壊れていくばかりだ。これはODAの構造に似ている。

 

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