中川恵バイオリン・ビオラ教室

京田辺のバイオリン教室の生徒さんたちを長年指導して出た結論は

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努力は才能を超えられるか?

努力は才能を超えられるか?

2021/09/24

結論から言いますと、才能のある生徒さんより、努力する生徒さんのほうが、上手になります。

 

才能ある生徒さんと、そうでない生徒さんが同じくらい努力したら・・そりゃ才能ある生徒さんの方が上手になるでしょう。しかし才能というものは、単純に比較できません。複数の要素が絡みあっており、相乗効果などもあります。長年先生をやっている私の目から見ると、やっぱり「やる気と努力に勝るものはない」のです。

 


♫これまでに一番才能があると感じたのは、松井山手の天理楽器にいらした60代の女性でした。
”こんな感じですか?”と初めて構えたフォームに、直すところはありませんでした。合唱をされていたので楽譜も読め、音感・リズム感もありました。

しかし、持続力がありませんでした。


翌週レッスンにやってくると、前回教えたことを全部忘れています。イチから説明し直し。
そんなことを何週か繰り返しているうちに、お辞めになってしまいました。レッスン内容も曲も進んで行かないので、面白くなかったのだと思います。

 

多方面に才能があり、合唱以外にも何やかんや趣味をたくさんお持ちでした。おそらくどの趣味も、労せず一定のレベルにすぐ達してしまう能力があったのでは。ほかにも沢山楽しいことがある中で、バイオリンに魅力を感じて頂けなかったのだと思います。

 


♫私たち現代人は、体のコントロール力を失ってきていますが、子供たちの体はまだ発達途上にあることから、柔軟に対応する力が大人より残っています。そのため、大人の生徒さんであれば言葉を使って説明することが、ただ押したり引っ張ったりするだけで伝わることもあります。

 

例えば。

右手の甲が外側を向いていたら、弓先まで使うことができません。
子供は、弓先にシールを貼って、ここまで使いなさいと言うだけで、甲の向きが勝手に変わったりします。
大人は同じことをしても変わりません。ので、右手の甲を内側へ向けるよう教えます。

 


♫才能があると感じた未就学の女の子がいました。
身体能力が高く、音感もリズム感もある。自然に触れさせる外遊びを積極的にしているご家庭の子供さんでした。

 

しかし何故かその子は、身体能力や音感力を発揮するのを、押さえてしまうのでした。
先達者の言うことに耳を傾けたり、コツコツ学びを積み重ねていくことが不得手のようで、あの手この手でレッスンをしたのですが、少しづつの上達となりました。

 


♫高い年齢の生徒さんの中には、身体が硬くなってはくるものの、先生が示す型をなぞらえることの出来る方が時折おられます。例えばバイオリンを弾くときの指の関節は、左右どちらも


第1関節は伸ばす
第2関節は曲げる
第3関節は伸ばす


のですが、シニアの生徒さんたちの中にこれがすぐ出来る方がおられます。恐らく、子供時代に体をたくさん動かしていたから、体の動きを邪魔をする人工物が少なかったから、と思われます。

 

 

♫コツコツ努力することによって上達した生徒さんは、才能があると感じたのに伸びなかった生徒さんより、ずっと沢山おられます。

 

体験レッスンで、ああ・・この方の身体能力ではバイオリンが弾けるようになるのは難しいかなあ。。と私が感じても、通いはじめる方がおられます。
真剣に応じてレッスンしていると、ゆっくりゆっくりの歩みなのですが、誰でもバイオリンの弾き方が身につくことが分かってきました。

 

左手首の角度

左小指の押さえ方

左手の親指による支え方

左肩・左脇を締めてしまう癖

右肩の使い方

右手首を曲げる微妙な角度

右小指の置き方

 

など、一般的に才能がなければ無理だろうと思われていることが変わってゆくのです。違いは上達する速さだけでした。要は本人の気持ちと努力次第なのです。

 

スズキメソードの鈴木鎮一氏は、「どの子も育つ、育て方ひとつ」と後世に残る名言を発信されました。

私は「どの人も育つ、年齢は関係なし、意欲次第」と言いたいです。

 


♫もう10年近くレッスンにお越しになられていて、まだ「子供のためのバイオリン教室 <中巻>」をされているシニアの生徒さんがおられます。しかしこの方は上達されているのです。前進しています。
なによりもバイオリン教室に通い始めたころは、腰痛や肩こりで常時病院や整体のお世話になっていたようですが、姿勢がすらりとしてきて、今では以前ほど辛くないようです。

 


♫前述した指の関節の角度は、できる人にはすぐできても、できない人にはなかなかできません。

これは「身体能力」という才能だから、ある程度しかたない、と教えだして最初のころは思っていました。


しかし私自身が大人になってから演奏フォームを修正したので(今でも修正し続けている)、大人でも変われることは分かっていました。

 

それで諦め悪く、できない生徒さんにも様々な手法でレッスンしていたら、変わってゆくではありませんか!
変わりにくい、変わるのに時間がかかるということは、一旦変わったら戻りにくいということでもあります。

 

何度でも諦めず同じことを違う言いまわしで伝える忍耐力は、子供たちからもらいました。

なにしろアヤツらは、レッスンルームを出て3歩歩いたら、先生から言い渡された宿題をケロリと忘れることのできる脳みそを持っていますから。

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