中川恵バイオリン・ビオラ教室

バイオリンの電子チューナー、特にクリップ型チューナーの選び方や使い方について

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クリップ型チューナーの選び方・使い方

クリップ型チューナーの選び方・使い方

2021/12/20

■チューナーは卓上型とクリップ型がある

 

バイオリン・ビオラ・チェロの電子チューナーは、大きく分けて卓上型とクリップ型があります。家での練習に使うなら卓上型にしましょう。クリップ型より扱いやすく、画面が見やすいです。

 

KORGが先駆メーカーですが、YAMAHA製やSEIKO製も悪くないです。この3社製以外で安すぎるものは、敬遠しましょう。

SEIKOにはチューナー・メトロノームにくわえ、ストップウォッチ機能まで付いています。私はたまにストップウォッチが必要になるのでその点魅力的ですが、デザインがごてごてしているのが気になります。

 

卓上型は少し大きくてかさばるので、シェル型(三角形)のバイオリンケースには入らないことがあります。

しかし習い始めはレッスン以外に出かけることもないでしょうし、レッスンでは先生が調弦してくれます。

(私のレッスンでは、他の先生より早い段階で、レッスン時も生徒自身にチューニングをさせます。バイオリンには体の器用さが大事だからです。チューナーは持ってこなくても貸します。)

 

置き型チューナーに比べると、クリップ型チューナーは反応が悪いことがあります。クリップ型はアマオケ等に行き出したときに検討したら良いと思います。

 

置き型チューナーには、メトロノーム機能が付いているものと付いていないものがありますが、どちらが良いかは人それぞれです。

私は大変便利に使っているので、先生はどう思いますか?と聞かれたら、メトロノーム付がよいでしょうと答えます。迷ったら付いているものを買いましょう。

メトロノームは、バイオリンの上達に必須の道具です。

メトロノームの選び方や使い方は、こちらの記事でも少し触れています。

2020/06/23  家での練習  マストアイテムとその使い方

 

 

■クリップ型はオケでチューニングするとき便利

 

置き型チューナーがバイオリンの近くに置いて使うのに対し、クリップ型チューナーは楽器に挟んで使います。すぐ隣でほかの人が調弦していても影響されず、挟んだバイオリンの音程だけに反応します。空気伝搬音ではなく、固定伝搬音を拾うからです。

 

置き型チューナーも、チューナーマイクを使えば自分の楽器の音程だけを拾えます。チューナーマイクは、50cmくらいのケーブルの片端がクリップ、片端がプラグになっています。クリップをバイオリンの駒に挟み、プラグを置き型チューナーのinの穴に挿します。

アンサンブルレッスンでも、普段の個人練習で置き型チューナーを使っている生徒さんが、チューナーマイクを用いています。

 

 

 

■クリップ型チューナーの選び方

 

クリップ型チューナーを選ぶとき大切なのは

◎楽器に挟みやすい

◎画面を見やすく向けれる

ことです。
楽器に挟みにくいもの、画面がこっちを向かないものは、大変ストレスがあります。アマオケなどで手早くチューニングしなければならないとき、挟みにくかったり画面がこっちを向いてくれなかったりすると焦ります。

 

ネットで「バイオリン」用の「クリップ型チューナー」を検索すると、多くの種類のチューナーが出てきますが、その殆どがバイオリンには向きません。前述の2点を満たさないのです。


生徒さんが持ってくるクリップチューナーの中には、「挟みにくい」で済めばまだマシで、どう考えても挟めないタイプの品がありました。ネックのどこに挟んでも画面がこっちを向かない、そんな商品もありました。なぜそんな品がバイオリン用クリップチューナーとして紹介されているのか、販売されているのか、不思議でなりません。

 

私の知っている「スカッと挟めて」「画面が素直にこっち向く」クリップチューナーは、KORGです。

 

25年前初めて買ったクリップ型チューナーは、KORGでした。その頃は選択肢がKORGしか無かったように思います。KORGの挟みやすさ、画面の見やすさを当たり前だと思って来ました。それが25年後に、こんなにクリップチューナーが選びにくい状況になっているとは!

 

25年前KORGの欠点は、クリップと本体のあいだの首が「パキッ」っと折れやすいことでした。
で、パキッとやってしまいました。
更に、E音に反応しなくなりました。


オケでは、1Hzを聴きわける耳と素早くチューニングできる技があれば何とかなります。

そうしてクリップチューナーを持たずに凌いできましたが、年1回の秋篠音楽堂の舞台へ生徒を送り出すときは、やはりクリップチューナーが欲しいのでした。365日のうちのたった1日ですが、クリップチューナーを買い直すことを決意。挟みにくいクリップチューナーだらけのネット海へ、こぎ出しました。


最初は片っぱしから記事を探して読んでいましたが、挟みやすさの情報がなかなか得られません。
一計を案じ、比較的信頼できると感じているネットショップを順繰りに覗いていきました。

 

とあるネットショップでは、SNARK というブランドのものをお勧めしていました。デザインが格好いいし、値段も手ごろです。しかしこれは生徒さんが持っているのを見たことがあります。あまり挟みやすくありませんでしたし、画面がケバケバしいです。

 

 

♪ダダリオのクリップチューナー

 

バイオリン界の老舗タツノヤのネットショップ「I Love Strings」では、ダダリオのクリップチューナー(上の写真)が載っていました。ダダリオは弦メーカーとして有名で、歴史もあり信頼性もあります。クリップ部分は2タイプあり、ネック周辺に装着するタイプと、バイオリン本体に取り付けられる新製品がありました。

 

バイオリンに向かないクリップチューナーが、何故バイオリン用とPRされてしまっているかといえば、各メーカーが「どの楽器にも取り付けできる」クリップチューナーを目指したからです。
それ自体は間違っているとは思いません。コスト削減できて商品価格が下がれば、消費者にもメリットがあります。
しかし「どの楽器にも取り付けできる」ものを目指した結果、どの楽器にも取り付けにくい中途半端な製品になってしまったのではないでしょうか。多目的ホールは無目的ホール、のような。

 

そんな中、バイオリンの本体にしか取り付けられない製品を出しているダダリオは、えらいと感じました。
そこでネックに装着する方のタイプを買ってみました。
が、あきまへんでした。
この記事の役にだけ、立ちました。

 

ダダリオのクリップ型チューナーは、ペグボックスに挟めませんでした。ペグなら挟めます。(写真) しかしペグチューニングを考えれば、クリップ型チューナーは、ペグではなくボックスに取り付けできなければなりません。

バイオリン用として売られているクリップ型チューナーには、ペグボックスに挟めない製品が少なからずあります。

 

 

♪KORGのクリップチューナー
大阪梅田のクロサワバイオリンに寄った折、KORGのクリップチューナーが展示してありました。試しに挟ませてもらうと・・
挟みやすい~! 画面こっち向く~!
そういえばウチの生徒さんがコレ使ってたっけ。(はよ思い出せ!)

 

帰宅して25年前のもの(写真奥)と比べてみたら、クリップ部分はまったく一緒でした。

クリップと本体のあいだの首が「パキッ」っと折れやすかった欠点も、直っていました。

 

 

■表示画面の見やすさ

 

も、私は気になります。
昔の製品はモノクロでした。今はカラーしかありません。
色彩豊かでチカチカするものは、眼が疲れます。

 

KORGのクリップチューナーもカラーですが、これまで見たクリップ型チューナーのなかでは一番地味で落ち着きます。

 


■バイオリンの基準音A(ラ)は442Hz

 

昨今のチューナーは、周波数の設定変更ができるものが殆どなので、「買ったはいいが、バイオリンの442Hzに出来なかった!」という事件はほぼ起こりません。
しかしレッスンで一度だけ、442Hzに設定できなかった生徒さんのチューナーに遭遇したことがあります。それはお母様が使われていた「和楽器」用のものでした。
そんなこともあるので、買うときは442Hzに設定できる品物か否か、ちょっぴりご注意ください。

 

初期値は440Hzであることが多いです。また442にしたあとで、周波数を上下するボタンをうっかり押してしまうこともあります。他の先生から移ってこられた生徒さんで、長年446Hzで調弦していたケースもありました。
自分が普段使っているチューナーが442になっているか、気にかけましょう。

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