子供にバイオリンを習わせたときの費用
2022/02/26
子供にバイオリンの習い事をさせると、どれくらいの費用がかかるのでしょう?
小学校 低学年から1/4サイズで始め、高校受験の手前まで続けて、スズキの後半(8巻くらい?)までいったと仮定してみましょう。大学オケや市民オケで、アマチュアとして活躍できるくらいの腕前です。
京都は土地柄 中学受験が多いため、5年生や6年生で一旦バイオリンを止めて、中1からレッスンを再開する生徒さんもおられます。それぞれのご家庭の事情に合わせて計算してみてください。
1)バイオリンなどの道具代
①バイオリン・弓・ケース 1/4、1/2、3/4、4/4
8万円 ✕ 4 = 32万円
バイオリンがどれだけ続くかわからない1台目は、ネットで安いものを買ってもいいと思います。それ以降は、3点セットで8万円くらいの予算で考えましょう。
値段が上がるほど弾きやすくて音質がよいバイオリンが手に入ります。くわしくは以下の記事をご覧ください。弾きやすくて音質がよいバイオリンほど、練習意欲がわくのは言うまでもありません。
バイオリンはどこで買ったらいいか
「バイオリン どこで買う」タグ
分数バイオリンをサイズアップする時、下取りしてもらえることもあります。業界の商習慣として、買った店舗であれば必ず下取りしてくれます。
ただ、そもそもの下取り価格はあまり高くはありません。中古バイオリンを仕入れて販売する際は、毛替えと弦交換をしますし、瑕疵が隠れているリスクがあるからです。
②肩当て、松脂、チューナー、譜面台
3万円~
分数バイオリン用の肩当ては、1個で2~3サイズに使えるようになっています。
一番ポピュラーなKUNは、1/8と1/4が兼用、1/2と3/4が兼用です。1/4からスタートすると3個いります。1/4と1/2が兼用、3/4と4/4が兼用という肩当てもあります。
イチオシの肩当てHAYATE は 1/2~フルサイズで使えます。(1/4 でも使っています。)
肩当ては弾きやすさに直結する道具なので、合わない場合は買い直したほうがいいです。数千円~1万円余りの出費で劇的に弾きやすさが変わることもあるので、諦めずに合うものを探しましょう。
顎当ても、買い直したほうがいい場合があります。顎当ても弾きやすさに直結します。バイオリンを弾きたがらなかった子供が、顎当てを低いものに変えたら、弾くようになった事例もあります。
松脂・チューナー・譜面台は、1つ買えば長く使えます。
譜面台を買わないで済ませると、バイオリンを弾く姿勢に影響します。必ず用意しましょう。
音程を合わせるための道具(チューナーなど)も必須です。4弦の音程が合っていないと、音感が育ちません。電子チューナーを使う以外にも、音合わせの方法はあります。子供さんの年齢や性格に合ったやり方を、先生と相談しましょう。
③教本、楽譜
4万円~
当教室では主に以下の楽譜を使います。(生徒によって違いますが) 生徒さんが自分で好きな楽譜を買ってくることもあります。
子供のためのバイオリン教室 上~中巻
スズキ1~8巻(スズキの8巻くらいまでという仮定なので)
小野アンナ スケール教本
やさしいヴァイオリン曲集 上下
ホーマン2
④弦が切れるなどした場合の修繕費
何事もなければ かからない費用ですが、弦と弓の毛は消耗品なので、交換する必要が出てくることもあります。またバイオリン本体や弓も木工品なので、扱い方などにより壊れることがあります。
中古の安いバイオリン、また新品でも安物を買うと、事件が起こりやすいです。1回に数万円の修繕費がかかることもあります。リスクを避けるには、バイオリンを「どこで買うか」が大切です。生徒さんのバイオリンに事件が起こるたびに、痛感しています。
2)レッスン代
月4回 1万2千円として
14万円 ✕ 7年 = 98万円
京都南部は「十字屋カルチャー」「島村楽器」などでバイオリンが習えます。いずれも上達につれてレッスン代がアップします。島村楽器だと月3回で、
習い始め(スズキだと1~2巻)は 12,100円。
ポジション移動(スズキ3巻)が始まると 13,200円。
たぶんヴィヴァルディの協奏曲(スズキ4巻 後半)くらいから 14,300円
京都を中心にカルチャースクールを展開している十字屋は、講座により回数や長さが異なり、レッスン代も様々です。
楽器店などが運営しているバイオリン教室は、レッスン日や回数が決まっています。先生が個人で開いている教室だと、柔軟に対応してもらえると思います。そうした教室の方が先生の意欲も高くお勧めです。
年齢が上がってきたら、回数を減らして、時間を長くしてもらってもいいでしょう。
音大を目指すならば、1回60分1万円~くらいになってきます。
私の教室がレッスン代一律なのは、バイオリンを手にして1ヶ月の生徒にファーストポジションを教えるのも、10年の生徒にハイポジションを教えるのも、難しいことに変わりはないからです。
ファーストポジションだとレッスン代が安いのは、弾かせていればファーストポジションなど自然と出来るようになる、という認識なのだと思います。実際、習っていたのにヘンテコフォームの経験者さんは、沢山おられます。
3)発表会やコンクール
①発表会
参加費 5千円 ✕ 年2回 ✕ 7年 = 7万円
ピアノ伴奏費 7千円 ✕ 年2回 ✕ 7年 = 10万円
発表会の参加費には幅があります。1000円で弾ける機会もあれば、立派な会場で行われる場合は1~2万円になります。だれが主催するのか、どこの会場で催されるか、などで値段が変わってきます。
ピアノ伴奏費も幅があります。一般的に5千円~1万円くらいでしょうか。もっと安いこともありますし、高いこともあります。私が大人になってから習っていた先生の発表会は、ピアノ伴奏費2万円でした。
バイオリン教室の方針によっては、保護者さんが伴奏したり、知り合いに頼んだりすることもできるでしょう。
計算しやすいよう、同じ規模の発表会が年2回あると仮定して計算しましたが、「年1回大きな発表会があり、それとは別に小さな演奏機会もある」といった運営をしているバイオリン教室が多いと思います。
発表会の参加回数は、年齢や性格を考えて決めましょう。回数が多すぎて練習に追われると、じっくりさらう期間が減りますし、経済的にも負担です。また少なすぎて刺激がないのもよくありません。
発表会が嫌いな、苦手な子供さんもいます。そうした場合は「発表会」というより、「合同レッスン」「合奏会」のような機会を設けてあげるといいでしょう。先生に開催の検討をお願いしてみてもいいと思います。
バイオリン教室の先生は、参加する生徒さんの人数を予測して会場を手配したり、ピアノ伴奏費の交渉をします。先生が主催するイベントは、前向きに検討しましょう。不参加のばあいも理由をちゃんと説明すると、先生との良好な関係が保てると思います。
衣装や靴にもお金がかかります。衣装で気持ちがアップしてバイオリンの練習を頑張れる子もいます。しかし衣装代をかけず、道具類やレッスン代にお金をかけるという考え方もあります。みながドレスを着ている中、お出かけ用のワンピースでも保護者さんが胸を張っていれば、人は人、私は私、という生き方を子供も学べます。
②コンクール
参加費 15千円 ~ 4万円
ピアノ伴奏費 1~3万円
コンクールと聞くと、音大を目指すような子が受けるものというイメージがあるかもしれませんが、そこまで達者でない子供さんでも、生涯に一度くらいコンクールを経験してみてもいいと思います。
私のバイオリン教室でも、保護者さんが子供にコンクールを経験させたいと言ってくることがありますし、こちらから勧めることもあります。
ひとつのバイオリン教室では、年齢&腕前が近い子がいないことがありますが、コンクールでは年齢&腕前が近いお友達に会えます。(コンクールによります)