【再掲】バイオリン・ビオラ 弦の交換方法
2024/01/09
バイオリン・ビオラの弦を交換しているところをビデオに撮りました。説明文とあわせてご覧ください。
説明文は前とほぼ同じです。ビデオではなく写真でご覧になりたい方は、2020/09/08 の記事 へ。
また調弦方法など知りたい方は、「調弦(ペグとアジャスタ)」タグ をご覧ください。
バイオリンはADGE、ビオラはADGCの順に、1本づつ交換します。
①ペグを回して古い弦をはずす
ペグを回す前にアジャスターは全部ゆるめておく。はずした弦は都度丸めて、新品の弦が入っていた袋に入れる。全部まとめて最後にしまおうとすると、どれがA線でどれがD線か分からなくなる。袋には年月を書いて、予備として取っておく。
弦をはずしたあと駒に付着している松脂を拭くと、駒も弦も長持ちする。
②駒とナットの溝に、4B鉛筆の芯を塗る
調弦のとき駒の上を弦がすべるので、弦が切れにくくなる。弦の切れる場所は、第1位がボールとの継ぎ目。次が駒・ナットに当たっているところ。
駒のねじれを防ぐ効果もある。E線だけアジャスターADG線をペグで調弦していると、E線は常にテールピース側へ引っぱられ、ADG線はペグ側へ引っぱられるので、何年もたつうちに駒がねじれてくる。
ペグソープのように毎回でなくてもいい。芯は細めでないと溝に塗れない。
③ペグにペグソープを塗る
ペグと穴の接点を確認する。接点がわからない場合は、ペグボックスの上からペグを当ててみたり、ペグ穴に差し込んでみたりする。接点はツルツル光っていて、接点でない部分とは質感が違う。
弦交換の前、ペグの動きがなめらかでなかった場合は、ペグを回しながらべったり塗る。
E線について ③の作業に入る前に
E線には、黒ゴム or 丸いベージュの皮ゴム が付いている。(ことがある)
これは、弦と駒のあいだのクッションとなる保護管。この保護管は、駒のE線が当たる部分が保護されている場合はいらない。
いらないときはボールエンド側へ押し付けて止めるか、弦をはる前にボールエンドの反対側から抜きとる。弦の途中でぶらぶらしていると雑音の元になる。
駒にはさむ場合、黒ゴムは駒の幅より長いため、余りはテールピース側へ出す。
丸い皮ゴムは、駒を保護する役目より、雑音を取って音をまろやかにする効果が大きいので、ナット(上駒)にはさんでもいい。
④ペグ穴に弦を差しこむ
先端は穴から20mmほど(E線は15mm)出しておくと、先端に折り目がつかないので、巻きなおすとき穴に入れやすい。
⑤ペグを押し込みながら巻く
ペグからナットまでは、できるだけ真っすぐになるよう。
⑥何周か巻いたところで、ボールをテールピースの穴にはめる
弦の色が変わるところを目印に、ペグを回すとよい。
⑦駒とナットの溝に弦をはめながら、ペグを巻く
⑧弦をはじきながら、ペグを巻いていき、調弦する
E線やA線などテンションの高い弦は、慎重に少しづつ巻いていく。
⑨駒の位置と傾きを確認
⑩ペグで調弦している場合は、ペグの傾きを調整
安定するまでに1/4周くらい弦が伸びるので、それを計算に入れて、力のかけやすい方向にする。