中川恵バイオリン・ビオラ教室

ビデオで体幹を見なおそう

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ビデオで体幹を見なおそう

ビデオで体幹を見なおそう

2022/07/27

夏は、バイオリンを弾いているときの体幹を見直す絶好の季節です。薄着で、体の動きが見えやすいからです。

 

誰にでも体を使うとき、ヘンな癖=不要な習慣 があります。ヘンな癖=不要な習慣は、日常生活においてもありますが、バイオリンを弾いているときは、より一層顕著に出現します。バイオリンは、体のヘンな癖を明るみに出してくれる、とも言えます。

 

不要な習慣を発見し、手放すには、

 

①先生に見てもらう
②鏡を使う
③ビデオを使う

 

といった方法がありますが、最も現実を直視させられるのは③ビデオです。鏡に比べるとちょっと面倒ですが、①ほどではありません。バイオリンの先生に連絡を取り、日時を決めて出かけるのは結構大変ですし、レッスン代もかかります。

 

①の良いところは、解決策の提示をもらえることです。②③だと自分で考えなければなりません。体の使い方に詳しくないバイオリンの先生もおり、そうした場合は、アレクサンダーテクニークなど身体操作の先生を探してもいいと思います。

 

②鏡は、手軽に自分の演奏フォームを客観視できるツールですが、見たい方向から見ることができません。自分の弓が直角になっているかを確認するのも難しく、楽譜から眼を離せないときは使えません。2枚の鏡を使うと、後方からの姿勢を確認することもできます。そうしていたこともあるのですが、見える角度の調節をするのに時間がかかります。

 

 

スマホでビデオを撮ろうと思ったら、やはりスタンドが要ります。私の持っているのは、セルカ棒(自撮り棒)に三脚スタンドが付いた、YUNTENGというメーカーのものです。送料込みで1880円でした。
支柱を折りたたんだら全長21cm、伸ばしたときの高さが102cmです。倒れないよう少し注意が必要な感じです。これより安物なのは、止めたほうがいいと思います。
bluetoothでリモート操作ができるとありますが、同じものを使っている友人によると、試したけどよく分からなかったそうです。値段的に仕方ないでしょう。

 

スタンドを買う前は、タンスの引き出しを少しあけてスマホを置いたりもしていたのですが、バイオリン上達のための道具としてスマホスタンドは節約するところではないと思います。

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パソコンに入っている「カメラ」というアプリでも、ビデオは撮れますが、あまり鮮明ではありません。(鮮明にできる設定もあるのかな?)このアプリで映像や写真を撮ると、カメラロールというフォルダに自動的に保存されます。



体幹の確認・修正を目的にビデオを撮るなら、正面もいいのですが、背中からがオススメです。正面からだと左肩がバイオリンの陰になり見えないため、想像力で補える能力が要ります。


また、夏服は体の動きが見えやすいと書きましたが、パンツ1枚で撮るとなお良いです。肩甲骨の動きがよく見えるし、腰・腹・胸のバランスを確認できます。

 

撮影するビデオの長さは、体幹の修正が目的なら1テイク20~50秒。気をつけたことの結果を確認し、次の課題を決めます。数回さらってから撮ることもありますが、たいていすぐ次のテイクを撮ります。撮影しないときも、1回1回バイオリンを降ろして、イメージの仕方を変えたり、軌道修正しながら行います。

 

立ち位置を変えたり、立ったり座ったり、あちこち曲げたり、最上の解を見つけるために体を動かします。素材もどんどん変えてゆきます。

煮詰まってくると、トイレに行ったり、小さな用事を挟みながら、続けます。発見したことを楽譜に記したり、手帳にメモったり、生徒のカルテに書いたりします。

 

集中力が薄まったと感じたらサッサとやめます。無意識に弾きつづけると、体は歪んできます。そのまま弾き続けると、歪んだ弾き方が定着してしまいます。

 

バイオリンの練習は、だらだら長くやるより、「30分を毎日」というように小まめに行うのが効果的です。体幹を修正する練習は、さらに短い時間で、回数を多くやるのがいいです。時間の長さや回数は、自分に合ったものを見つけてください。

 

エアコンはいろいろな意味で体を動きにくくするので、朝の時間に扇風機でやります。会社員時代は、出社前に朝練をしていました。1日使える日だったら、朝練をして、午前練をして、午後練をします。

 

夜しか時間が取れないばあいは夜練習するしかありませんが、蛍光灯/LED灯の元では眼に負担がかかります。くたびれた状態の夜30分より、朝の集中した10分の練習のほうがいいと思います。
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バイオリンの演奏フォームを形作るのは、手や指、腕など二肢だと思われていることでしょう。実際これらの部位についての正しい理解は必要です。しかし手や腕を、「今の形」から「理想とする形」へ変えようとする努力より、体幹を良くするほうが、バイオリン上達における実効性は高いです。体幹がよければ、手や腕はそうなってくれます。

 

頭も冴えます。体幹がよいときは、すらすら譜読みができます。楽譜が読めないときは、体幹が歪んでいる、と判定してもいいかもしれません。

 

体幹がいいときの弾きやすさには、格別なものがあります。これを味わうと、困難な道のりでも頑張ろうと思えます。

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